海外メディアが入手した中国遼寧省当局の内部機密文書によると、当局は法輪功学習者などへの弾圧を一段と強化すると各下部組織に指示したという。
今年5月創立されたイタリアのオンライン雑誌「ビター・ウィンター(Bitter Winter)」が入手した機密文書によると、「610弁公室」とよばれる法輪功弾圧機関の遼寧省支部が法輪功学習者への弾圧強化を決めた。
11月26日、「ビター・ウィンター」のマッシモ・イントロヴィーネ(Massimo Introvigne)編集長は大紀元の取材に対して、「国際社会で弾圧に関する機密文書を暴露するのが非常に重要だ」と述べた。イントロヴィーネ氏はイタリアの社会学者でもあり、NGO団体の新宗教研究センター(CESNUR)の創設者でもある。
同文書によると、弾圧強化プロジェクトの最大の対象は法輪功学習者で、「積極的に打撃を与える」「圧力を高めて脅迫する」また、「(ソーシャルメディアの)微信や(コミュニケーションアプリの)QQなどのインターネット・プラットフォームを重点に、ネット上での情報収集と取り締まりを強化する」という。実施期間は2018年10月から12月まで。
また、法輪功弾圧や中国の内情を報道する大紀元時報と新唐人テレビも標的にしている。
1999年6月、江沢民元国家主席が法輪功への弾圧政策を実施してから、「3カ月以内に法輪功を消滅する」とのスローガンで、中国の憲法とあらゆる法体制の上にある特権組織、「党中央邪教問題を防止および処理する領導小組とその弁公室」を設立した。6月10日に設立されたこの組織は通称、610弁公室。迫害を実施する専門機関として、法輪功学習者の情報収集、拷問、殺害、臓器狩りなどを実施、海外の法輪功学習者に対して諜報活動も行っている。
このほど、中国国内一部の省の警察当局は「610弁公室」からの指令を受けて、「暴力団取り締まり強化」の名目で、各地の法輪功学習者に対して一斉拘束や嫌がらせを実行した。11月9日だけで、黒龍江省ハルビン市と大慶市では計119人の法輪功学習者が一斉拘束され、ほかに10数人の学習者が嫌がらせを受けた。
また法輪功情報サイト「明慧網」によると、今年1月から10月までに、中国各地の3944人の法輪功学習者が拘束された。なかに70代や80代の年配者もいる。また、3783人の学習者が当局からの嫌がらせや脅迫を受けた。
当局の弾圧強化を受け、米国務省のスポークスマンは29日、国務省がすでに中国当局に対して、国際人権基準により法輪功学習者への弾圧を停止するよう求めたと、大紀元の質問に電子メールで返答した。
イントロヴィーネ氏は、法輪功弾圧のために設立された「610弁公室」は現在、中国国内他の宗教団体をも迫害の対象にしていると指摘した。「中国当局は、これらの団体の勢力が拡大すれば、共産党政権が脅かされると不安になっているからだ」
イントロヴィーネ氏は、これまで中国当局が開催した「国際反邪教学術交流会」に2回出席したことがある。当局から提供された資料を研究した結果、法輪功を邪教とする中国当局の見解に否定的だった。
同氏は、中国当局が法輪功弾圧政策を成功させるために、「フェイクニュース(偽りの報道)を作ってきた」と非難した。
当局は2001年、世論の法輪功学習者への嫌悪感をあおる狙いで、いわゆる「天安門焼身自殺事件」を自作自演した。米NPO団体「国際教育開発プロジェクト」(International Educational Development、IED)は同年8月14日の国連関連会議において、「天安門焼身自殺事件」を分析した映像を提出し、事件は中国共産党当局によるでっち上げであるとの声明を出した。IEDの声明は国連に保存記録と認められた。
(翻訳編集・張哲)
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