エスパー米国防長官は2月15日、中国共産党政権が、西側諸国の知的財産権を盗み、隣人の小国を脅迫し、あらゆる手段を使って優位を獲得しようとしていると批判した。ドイツで開かれているミュンヘン安全保障会議で発言した。
「中国共産党はますます間違った方向へ行っている」とエスパー氏は演説で述べた。「さらなる内部圧制、略奪的な経済活動、情報の非公開などが挙げられる。私が最も懸念しているのは、中国の挑発的な軍事姿勢だ」
しばしば中国を批判してきたエスパー氏だが、今回のスピーチは、最も包括的で非難的な内容になった。
エスパー氏は、中国との衝突を避けたいと強調している。人道的な立場から、米政府は中国に医療援助を提供し、新型コロナウイルスのまん延阻止に支援すると語った。いっぽう、世界各国は「目の前にある中国の脅威に目覚めてほしい」と呼び掛けた。
エスパー氏とその前任者であるマティス氏は、米国の軍事および安全保障政策の焦点を、中国に移した。北大西洋条約機構(NATO)も2019年から、中国の脅威に関して協議を本格化させてきている。それまでは、対ロシア政策が中心議題だった。
NATO事務総長ストルテンベルグ氏も、ミュンヘン会議に出席している。米トランプ政権より対中強硬姿勢は控えめだが、「欧米は、中国の台頭に一貫した対応を調整し、策定する必要がある」と述べた。
エスパー長官は欧州との協力について、「中国の経済および軍事的な拡大についての米国の懸念は、欧州の懸念であるべきだ」とスピーチのなかで語っている。
(翻訳編集・佐渡道世)
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