今年に入ってから、中国共産党政権の情報隠ぺいが原因で、中共肺炎(武漢肺炎、COVID-19)が世界中に急速にまん延し、世界を恐怖に陥れた。感染症が無情だとは言え、この状況をもたらした伏線がすでにあった。特に、中共肺炎が中国国外に感染拡大した現状をみれば、このウイルスが中国共産党に狙いを定めているとはっきり認識することができる。
発生から2カ月以上経った今回の疫病は、勢いを増し続けており、今は全世界に拡散している。危機に直面している各国政府と国民は、ウイルスがどこから来たのか、中国共産党とどのような関係があるのか、さらに個人と国はこれからどのようにすればこの災いを回避できるのかと考えなければならない。
中国共産党の歴史は、戦乱、飢餓、疫病と殺戮に満ちた暗黒の歴史である。中国共産党政権による70年間の圧政の下で、8000万人の中国人が殺害され、中国の伝統文化と中国人の道徳観が破壊された。とりわけ、ここ30年間、共産党政権は1989年の学生運動を武力鎮圧し、1999年から法輪功の学習者を弾圧し始めただけでなく、近年より広範囲に中国国民を虐げている。中国共産党は暴力とウソで、中華民族と世界各国に重大な災難をもたらした。『共産党に対する九つの評論』(九評)の編集部は記事で、「共産主義の本質は邪霊」であり、その最終的な目的は人類を滅ぼすことであると指し示した。
ここ40年間、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの発展途上国から欧米の先進国まで、共産邪霊の代表者である中国共産党は、経済的利益を餌にし、グローバル化や孔子学院、巨大経済圏構想「一帯一路」などを隠れ蓑にし、政治・経済・文化・教育・ハイテク技術などの各分野において、世界各国に対して浸透工作を仕掛けてきた。「中国共産党は、人々を誘惑し神に背かせ、人類を滅ぼすという最終的な目的を実現しようとしている」(九評第十二章)
経済利益を受けた国・地域の政府は中国共産党との関係を強化してきたが、災いもそれと共についてやってきた。今回の中共肺炎は明らかに、中国共産党と密接な関係を築いた国、都市、組織、個人を狙っている。
中国共産党の「戦友」イランが深刻な状況に
世界最多の感染者と死亡者を出した中国では、当局の発表によると3月9日までに、全国で8万754人の感染者が確認され、死亡者は3136人に達した。しかし、国際医療研究者や大紀元などの海外メディアは推定と現地取材によって、実際の感染者数は公表の数値よりはるかに多いと指摘した。多くの欧米の専門家は、中国国内の感染者数は当局発表の10倍以上だとの見方を示している。
また海外では、3月9日までに感染者数が1000人以上にのぼった国は、イタリア(9172人)、韓国(7478人)、イラン(7161人)、フランス(1412人)、ドイツ(1112人)の順となった。また、死亡者数が100人を上回った国は、イタリア(463人)とイラン(237人)だ。
イランの感染状況は、イタリアと韓国と比べて軽いように見える。しかし、イランは中国共産党政権と同じく専制体制であるため、国内の感染実態を隠ぺいし、情報統制を行っているとみられる。一部のメディアや専門家などは、イラン政府が本当の感染者数と死亡者数を公表していないと指摘している。
米紙ワシントン・ポストは、イラン・テヘランの病院の関係者が提供した情報を基に、イランの感染者数は政府公表の5倍だと報じた。イラン国内メディアの報道も、感染者数が政府発表の10数倍だと報道した。イラン市民がSNSに投稿した動画などによれば、病院には死亡した患者の遺体が数多く置かれており、道端でバタッと倒れる市民が相次いだ。武漢市の状況と驚くほど似ている。
中共肺炎のウイルスはイラン政府の高官を標的にしていることを強調しておきたい。イラン政府が公にした237人の死亡者のうち、現役国会議員や前国会議員が複数いる。また、保健省の次官と副大統領を含む少なくとも24人の国会議員が感染したことが確認された。
中国共産党はイランの後ろ盾であり、イランの「戦友」でもある。イランには潤沢な石油資源があり、中東地域において重要な戦略的要衝に位置する。しかしながら、同国の急進的なイスラム政策は、民主主義の国に大きな脅威を与えた。長い間、中国共産党はイランの現政権に経済的・軍事的支援を行ってきた。中国共産党は、イランにミサイルや戦闘機、潜水艦などを輸出したほか、民主主義国家を牽制するために重要な核兵器技術まで提供した。
国連とアメリカ政府は、イランの核開発を阻止するために複数回、経済制裁を実施した。中国当局は公然と国連の制裁措置に違反し、イランから石油を輸入し、イランの現政権に対して資金援助を行った。米政府は近年、中国共産党に支配されている通信機器企業、中興通訊(ZTE)と華為技術(ファーウェイ)がイラン政府に重要な軍事技術などを提供したとして、2社に制裁を科した。
イランは中国共産党の「親密な」パートナーでもある。中国当局は2013年、共産主義のイデオロギーを世界に輸出し覇権を実現するための「一帯一路」政策を推し進め始めた。この政策の下で、イランは、欧州・アジア・アフリカにおける共産党の影響力拡大に中心的な役割を果たした。過去10年間、中国はイランの最大の貿易パートナーで、イランに巨額な投資をしてきた。
「一帯一路」盟友のイタリアが欧州で感染者最多
イタリアの感染者数は、3月9日までに9172人確認された。死亡者数も463人に達し、中国とイランを除く各国の死亡者の合計を上回った。イタリアの感染状況は中国に次いで深刻である。
9日、同国のコンテ首相は10日から全土で封鎖措置を実施すると発表した。6000万人以上のイタリア国民は、仕事や緊急状況の場合を除き、外出自粛を求められた。
昔日、落ち着きのある大人の街であるイタリアではこの直後、受刑者の暴動、市民による買いだめなどの大混乱が起きた。この主因は、イタリア政府が誤って中国共産党を信用したためだ。同国政府は、中国共産党と親中国共産党の世界保健機関(WHO)の発表を信じ、厳格な防疫対策を実施せず、中国人観光客の入国を禁止しなかった。
しかし、イタリアで中共肺炎の感染者が急増した根本的な原因は、同国政府と中国共産党の「密接な関係」にあると言わざるを得ない。
G7の一員で先進民主主義の国であるイタリアは、西側同盟国の反対を押し切って、2019年3月23日、中国当局との間で「戦略的パートナー関係を全面的に強化する」ことで合意し、欧州各国の中で最初に中国側の「一帯一路」構想に関する覚書を締結した。
ここ数年、イタリア経済が低迷していたため、政府は中国当局の「一帯一路」政策を通じて、国内の景気回復を期待した。このため、イタリアに中国人観光客が増加し、同国に一定の経済効果が現れた。しかし、同時に一部中国人観光客のマナーの悪さがさまざまな問題を引き起こした。さらに、イタリア政府の予想外に起きた今回の感染拡大は、経済だけではなく、国民の命まで脅かしている。この損失は計り知れないものだろう。
イタリアの74の都市は中国と「姉妹都市」関係を結んだ。このなかに、感染が最も深刻なロンバルディア州とミラノ市、ベネチア市、ベルガモ市も含まれている。
中国共産党に近い仏独も深刻
欧州主要国のフランスとドイツでも、中共肺炎の感染者が1000人を超えた。毎日の新規感染者は速いペースで増えており、深刻な状況に陥っている。フランスの文化相も感染したと報じられた。
両国には1つの共通点がある。両国はこの頃、中国共産党寄りの姿勢が目立った。たとえば、ファーウェイを通じて次世代通信規格(5G)の世界覇権を狙う中国共産党の野心に対して、フランスとドイツの政府は見て見ぬふりをしている。両国の政府は同盟国のアメリカの警告を無視し、最近ファーウェイを国内の5G網構築から排除しない方針を決めた。
2019年3月26日、習近平国家主席と会談後、ドイツの首相はフランス・パリで行われた記者会見で「一帯一路」について、「非常に重要な構想で欧州も参加したい」と述べた。
感染者が最も多いフランス・オワーズ県とドイツ・ノルトライン・ヴェストファーレン州はそれぞれ、中国の青海省と江蘇省との間で友好省関係を結んでおり、中国共産党政権と非常に近い関係にある。
中国共産党との親密度が命取り
地理的に中国に近いアジア諸国は、感染度合が中国共産党との親密度によって異なるという事実を如実に表している。
3月9日まで、韓国では7478人の感染者が確認された。この数字は中国に次ぐ第2位だ。
海を隔てた日本では512人の感染者が確認された。一方、中国に極めて近い香港と台湾では、感染者数はそれぞれ115人と45人だった。台湾では死者1人、香港では死者3人だ。その上、香港における初期感染者は全て中国本土からの渡航者であった。その後、中共肺炎は警察機動隊や親中国派にも広がった。
日本、韓国、香港、台湾は同じく中国の周辺に位置しているが、中共肺炎の感染状況は中国共産党との親密度と密接に関係している。
韓国は1992年に中国共産党政権と国交を樹立した後、進んで歩み寄り、貿易関係を強化した。現政権は進んで中国共産党を取り込もうとし、投資プロジェクトを乱発した。中国はすでに韓国の最大貿易相手国であり、同時に最大の市場と最大輸入相手国でもある。
中国で中共肺炎の発生が明らかになったあとでも、韓国政府は中国共産党との関係を損なわないよう、国境で検疫を行わなかった。韓国は中国と190もの姉妹都市関係を構築した。その中には最も感染が広まっている大邱市と慶尚北道も含まれている。
日本政府は中国共産党政権と親しいわけではないが、多くの日系企業が中国で投資を行っているため、中国共産党政権に対して強気に出ることができない状態だ。さらに日本の256もの地方自治体が姉妹都市関係を締結した。その中には突出して感染者が多い北海道や東京都、愛知県などが含まれている。
中国と中国共産党を明白に区別する点において、香港と台湾は日本と韓国の態度とは大きく異なる。この差が感染度合の違いをもたらしている。
香港と台湾も中国本土と活発に貿易を行っているが、住民たちは利益に目を眩ませることがなかった。2019年に香港の民衆は覚醒し、悪法に抵抗した。この流れは非暴力的な抗議活動につながり、中国共産党解体の序曲を高らかに奏でた。同時に台湾人はこの事件を通して中国共産党の邪悪な本質を目のあたりにし、抵抗の意志を固めた。
特に台湾は中国共産党の妨害工作により、WHOに加入できていない。そのため中共肺炎の対策でも中国共産党とWHOに歩調を合わせることはなかった。結果的に、中国との強いつながりがありながら、台湾はウイルスの拡散を効果的に抑制することに成功し、世界に模範を示した。
中国共産党を拒否し、距離を置いた香港と台湾は、ウイルスをも拒否することができた。
同じく中国と国境を接するインドやロシア、モンゴルといった国々でも感染は拡大していない。これらの国家の共通点は、中国共産党と馬が合わないことだ。
中共肺炎の中国国外における蔓延が選択的であるとすれば、そこにはなんらかの意思があると解釈することもできる。
歴史書によれば、明王朝末期にペストが蔓延した。明王朝の軍は戦闘がままならず、立つだけで精一杯だった。一方、感染地域で作戦を行っていた李自成の農民軍や清王朝の軍は防護措置を取らなかったにもかかわらず、感染しなかった。これは単なる偶然ではなく、背後には人知を超えた力が働いていることを示しているのではないだろうか。
おわりに:ウイルスから身を守る方法
歴史上、多くの王朝は末期になると天災や疫病に見舞われた。中共肺炎の拡散を見れば、これは中国共産党政権の終焉を暗に示しているのが分かるだろう。グローバル化が進む現代において、中国共産党と親しい関係にある国家、都市、組織、個人は皆、ウイルスの標的となり、道連れにされる恐れがある。
中国にはこのようなケースもある。中共肺炎が完治した後、自分の病気は中国共産党が直してくれたのだというプロパガンダを信じた人がいた。その人が中国共産党に恩を感じていたところ、中共肺炎の症状が再び現れた。
中共肺炎は人々に病気の苦痛と死をもたらした。だが歴史と現実は、疫病から身を守る方法を示している。それはすなわちこの災難の根本的原因を見定めると同時に、中国共産党の本質に気づくことだ。中国共産党から離脱し、遠ざかることによって初めて、災難から逃れ、ウイルスから身を守ることができる。
イランや欧州諸国といった遠方の国々も、韓国や日本のような近隣諸国も、中共肺炎の感染拡大により大きな被害を蒙っている。これは国家の統治者に対する警告でもある。統治者の一つの決定により国家の未来が決まるだけではなく、その国に暮らす国民一人ひとりの幸福をも左右する。中国共産党と中国を混同し、中国共産党に幻想を抱けば、自分の身を滅ぼし無数の国民を不幸に陥らせることになるだろう。
『九評』編集部は、『共産主義の最終目的』において「神は慈悲と威厳を併せ持っている。神は一人ひとりの心のうちを観察している。今この時の選択と行いは、自らの未来を決定することとなる」と指摘している。
ウイルスはいまだに感染拡大している。かつて中国共産党の組織に加入したことがある人は、大紀元のウェブサイトで中国共産党からの脱退声明を提出することができる。個人、組織そして国家が中国共産党を拒否すれば、ウイルスから自らを守ることができ、より良い未来へと歩み進むことができる。
大紀元編集部
2020年3月10日
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