新型コロナウイルス感染症の発生からすでに3年以上が経過したが、発生源となった中国では、感染が再び拡大している。最新の米研究機関の調査では、中国当局が「ゼロコロナ」を廃止した後の2か月間で200万人近くが死亡したことが明らかになった。医療の「特別待遇」を受けられるはずの政府高官や学者、企業幹部の死亡も相次いでいるという。
こうしたなか、法輪功の創始者・李洪志氏はエポックタイムズに対し、新型コロナウイルスは中国共産党を標的としていると語った。中国共産党に盲従し、中国共産党を擁護し、中国共産党のために命を捧げる人々は、皆ウイルスに狙われていると述べた。
中国で猛威振るう新たな派生型
中国の国家疾病管理予防局は8月19日、中国の多くの省でオミクロン株の新たな派生型「EG.5(エリス)」の感染が急拡大し、感染者に占める割合が4月の0.6%から8月には71.6%に増加と発表。「この傾向が今後も続く可能性が高い」と指摘した。
世界保健機関(WHO)は8月9日、「EG.5(エリス)」を「注目すべき変異株(VOI)」に指定し、警戒を促した。
中国メディア「上観新聞」8月16日付によると、上海の多くの医療機関では新型コロナウイルスの患者数が10~15%増加した。中国各地のネットには身の回りで感染者が増えているとの書き込みが相次いでいる。
北京市のネットユーザーは「7月末の北京の発熱クリニックの患者数は1日に20数件だったが、8月中旬には1日120件と急増した」と投稿。上海のネットユーザーも「会社内で咳をする人が増え、1日に複数の社員が体調不良を訴えることもあった」と書き込んだ。
「ゼロコロナ」廃止後に200万人近く死亡か
中国共産党が実施した極端な行動制限「ゼロコロナ」政策により、中国の経済活動は停滞し、都市機能は麻痺した。昨年11月に始まった「白紙運動」が全国範囲に広がると、指導部はゼロコロナ政策を事実上廃止した。
その後、新たな感染の波が中国全土に押し寄せた。病院は発熱で苦しむ人々で混み合い、主要都市の葬儀社には火葬待ちの長蛇の列ができた。
ロイター通信は25日、米研究機関フレッド・ハッチンソンがんセンターが実施した調査を取り上げ、昨年12月から今年1月にかけてチベットを除く中国本土では30歳以上の超過死亡数が187万人に達したと報じた。
調査は、中国のいくつかの大学が発表した死亡率データのサンプルと中国のインターネット検索サービス大手の百度(バイドゥ)の検索データを用いて実施された。しかし、中国当局の厳格な情報統制により正確な死者数を知ることは困難で、実際の死者数は同センターが発表する数字を上回っている可能性もある。
火葬件数からもコロナによる死者数を推測することが可能だが、中国当局は関連データの公表を取り止めている。中国民政部が発表した「2022年第4四半期民政統計データ」と「2023年第1四半期民政統計データ」はいずれも、火葬件数を公表しなかった。
7月13日、浙江省民政局は今年の第1四半期の火葬件数を発表した。その数値は昨年比で72%以上の増加となったが、当該データはのちに削除された。
コロナウイルスは中共が標的
中国で新型コロナの感染が再拡大するなか、一般庶民とは異なる医療ケアの「特別待遇」が受けられる中共官僚や著名な学者、警察幹部などの訃報も相次いだ。「傑出した共産党員」と説明された人物の死も少なくなく、故人と党の繋がりの強さを示唆した。
法輪功の創始者・李洪志氏は8月26日、エポックタイムズに対し、新型コロナウイルスは中国共産党を標的としていると語った。中国共産党に盲従し、中国共産党を擁護し、中国共産党のために命を捧げる人々は、皆ウイルスに狙われていると述べた。
李洪志氏は今年1月、中国では新型コロナによって4億人以上が死亡したにもかかわらず、中国共産党は感染状況を隠蔽してきたと指摘。さらに、コロナ禍が完全に収束する頃には、中国の死者数は5億人に達するだろうと示した。
李洪志氏は2020年3月、『理性』という文章のなかで、人類社会の道徳が低下している状況では疫病などの災厄は避けられないとし、「実は、疫病そのものは人心、道徳が退廃し業力が大きくなった人に狙いを定めています」と述べた。
「今の『中共ウイルス』(武漢肺炎)のような疫病は目的と目標を定めています。中共ウイルスは邪党の党員、中共邪党の支持者を淘汰するためにやってきたのです。信じなければ、今の状況を見てみてください。今、感染拡大が深刻な国はいずれも邪党と密接な関係にあります。個人に関しても同じです」
李洪志氏は疫病を乗り越える方法についても提言している。「それならどのように対応すればいいのでしょうか? 中共邪党を遠ざけ、邪党を支持しないことです。なぜならば、邪党の背後にいるのは赤色の魔だからです。ならず者のように振る舞い、悪事の限りを尽くしています。神は邪党の根絶に着手し、支持者は全部淘汰されます。信じなければ、今後の展開を見守ればよいのです」
李洪志氏はまた、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行した際、中国本土では2億人もの人々が亡くなったと語った。年月が過ぎ、人口の減少に気づいた中国当局は直ちに一人っ子政策を廃止し、二人っ子を奨励するようになったという。
中共政権終焉の前兆か
中国問題専門家の横河氏は、中国の死者数は他国の死者数を大きく上回っていると指摘する。さらに、歴史を紐解けば、自然災害や疫病は中国の王朝が交代する時期に急増する傾向があるとの見方を示した。
その一例として、明王朝末期に発生した腺ペストの大流行を挙げた。1640年代、腺ペストは何十万人もの人々を葬り去り、衰退していた明王朝を崩壊へと向かわせた。しかし、清王朝が成立すると大感染はたちまち終息した。
横河氏はまた、「中国伝統文化の観点から言えば、災害は人々の道徳と密接につながっている」と指摘。今日の中国で起きていることは「中国共産党政権が終わりに近づいていることを示しているように思える」と述べた。
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