[ニューヨーク 7日 ロイター] – 国際金融協会(IIF)は7日発表した報告書で、新興国市場の回復が一様でなく緩慢なペースになり、中国とインドを除いて2009年の世界金融危機時よりも深刻な景気後退に陥る可能性があるとの見通しを示した。
IIFは、中国が09年に実施した大型インフラ刺激策に言及し、「中国による大型刺激策に欠く中、金融危機時に比べ世界の経済活動や商品相場への押し上げ効果はない」との認識を示した。
今年の中国成長率は2.2%と、09年の9.4%を大幅に下回る見通しとし、インドについてはマイナス11.3%になると予想。09年はプラス8.5%だった。
また、11月の米大統領選を控え、新興国市場への資本フローを巡る不透明性も高まっていると指摘。「短期的にロシアを巡るリスクが顕著で、対ロシア追加制裁が引き続き政治課題になる見通し」とした。
さらに「制裁が米中関係において大きな役割を果たす公算が大きい」とした上で、中国への資本フローは今年小幅拡大し、21年には過去最大になると予想した。
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