[東京 18日 ロイター] – 複数の報道によると、東京五輪・パラリンピックの大会の観客数について、主催者側は上限を1万人とする方向で検討しているとみられる。21日にも開かれる大会組織委員会と政府、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の代表者による5者協議で最終判断する見通しという。
組織委の橋本聖子会長は18日午前に開催した新型コロナウイルス対策専門家会議で、感染症対策分科会の尾身茂会長から提言を受けたことを明らかにし、そのアドバイスをもとに5者協議で東京大会の観客数について方針を決定したい、とした。
産経新聞は、橋本会長がインタビューで、観客上限1万人の方針を明らかにしたと報道。読売新聞も18日、政府関係者らの話として、政府と大会組織委などが観客数の上限を1万人以下とする方向で最終調整に入ったと報じている。また、観客に関しては、同上限とは別にスポンサーなどの関係者の入場を認める方針、としている。
政府の方針では、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の解除後は大規模イベントの参加人数制限は現在の5000人以下から1万人以下に緩和される見通しで、来月23日に開幕する東京五輪にもこの基準が適用できると判断したとみられる。
産経によると、橋本氏は「(今回示された上限規制も)無観客とはうたっていない」とし、「有観客にしてほしい。それで5者協議に向かいたい」と述べた。分科会の尾身茂会長ら専門家が18日に公表する大会リスクに関する提言の内容については「どれだけ応えられるか」が課題との認識も示したという。
一方、報道によると、感染状況に改善が見られず仮に重点措置が継続される場合は観客数5000人以下を継続し、宣言の再発令となれば無観客とする案も出ている。橋本氏も、大会期間中でも無観客開催に切り替える可能性に言及した上で「途中で(大会の)中止ということにならないよう、準備していく」と述べたという。
橋本会長は尾身氏からの提言を受けて午後7時に記者会見する。
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