インドネシアでは、350人以上の医療従事者が、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発した中共ウイルス(新型コロナウイルス)のワクチン「コロナバック」の接種を受けた後に感染したことが判明した。18日付のロイターが報じた。
中部ジャワ州クドゥス県の保健局長バダイ・イズモヨ(Badai Ismoyo)氏はロイターの取材に対し、感染した医療スタッフのほとんどは軽症や無症状と診断され、自宅で隔離治療を受けているが、数十人が高熱と呼吸困難で病院に搬送されたと語った。
この地域では現在、より感染力の強いインド型の変異ウイルスが原因とみられる流行が発生しており、病床使用率は90%を超えている。多くの医療従事者が次々と感染し、医療スタッフの不足は深刻化している。
首都ジャカルタでは、放射線科医のプリジョ・シディプラトモ(Prijo Sidipratomo)博士がロイターに、過去1カ月間に少なくとも6人の医師がワクチン接種後に感染し、うち1人は集中治療室で治療を受けていると述べた。
インドネシアでは、医療従事者が優先接種者に指定され、1月にワクチン接種が始まった直後に接種を受けた。インドネシア医師会(IDI)によると、医療従事者の大半がシノバックワクチンを接種しているという。
世界保健機関(WHO)は今月1日、シノバックワクチンの緊急使用を承認した。WHOの戦略的諮問委員会(SAGE)は、同ワクチンの有効性を50~84%と評価している。
オーストラリアのグリフィス大学(Griffith University)の疫学者であるディッキー・ブディマン(Dicky Budiman)氏は、「現在のデータから見れば、インドの変異ウイルス『デルタ株』がクドゥス県に現れ、以前より感染率が高くなっている可能性が高い。インドネシアでは、ほとんどの医療従事者がシノバックワクチンを接種しているが、このワクチンがウイルスの変異体に対してどの程度効果があるのかは分かっていない」と述べた。
インドネシアでは現在、国内の中共ウイルスの累計感染者が196万人を超え、医師や看護師946人を含む約5万4000人の死亡が確認された。
(翻訳編集・王君宜)
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