イスラエル・エルサレムにあるヘルツォーク病院の医療責任者であるKobi Haviv医師は5日、同国のテレビ「チャンネル13」のインタビューで、同院に入院の感染者および重症化したほとんどの患者は、以前にワクチンを接種しており、「ワクチンの効果は薄れている」と述べた。
同医師によると、「入院患者の85~90%は以前にワクチンを接種している。また、重症患者の95%もワクチンを接種している」と明かした。同院は高齢者ケアを専門としている。
イスラエルの保健省が7月に発表した米ファイザー製ワクチンの効果に関するデータによると、新型コロナウイルスの感染防止効果は90%から39%へ、軽症に抑える効果も90%から41%まで低下したことが分かった。しかし、入院を要する程度の症状を抑止する有効性は88%、重症化を防ぐ効果は91%と依然として高い水準にあるという。
今回の発表に先立つ7月5日の同省の発表では、ファイザー製ワクチンの感染抑止効果は64%まで低下したとされていた。
イスラエルは、2020年12月に大規模なワクチン接種プログラムを開始した最初の国の1つであり、接種を迅速に進めた手法が国際的に高い評価を得ている。
イスラエルでは、ファイザー製ワクチンが唯一、承認されたコロナワクチンとなっている。
同国保健省によれば、7月27日時点で、全国民の約6割に当たる532万人が2回目のワクチン接種を完了している。しかし、感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の影響で感染者が再び増加し、接種を終えていても重症化するケースが目立っている。
それを受け、政府は8月1日から、60歳以上の人に対し、3回目の接種を開始した。世界で初めて3回目の接種に踏み切る国となった。
現在、感染者の90%以上がデルタ株による感染だという。
同国の科学者によれば、デルタ株の感染力はより強まっているが、それが重症化や入院の数、死亡率の増加につながるかどうかはまだ不明だという。
イスラエルの公衆衛生の医師で、政府の専門家諮問委員会の会長をも務めるRan Balicer教授によれば、デルタ変異株により、ワクチン接種後であっても感染する症例の発生率が予想以上に高いと指摘した。
現在、感染者と入院者数は増加しているが、専門家によればこの数は以前の感染ピークよりは少なく、また死亡率も常に低いレベルに保たれているとした。
イスラエル政府は今週、新たな感染予防のための制限を実施した。一部の政府職員にリモートワークを義務づけたり、またレストランなどの利用者はPCR検査陰性証明の提示が義務づけられたりしている。
さらには、室内の公共の場所および100人以上の屋外イベントで、マスクの着用が義務付けられた。イスラエル政府は感染防止戦略の一環として、「ノーハグ」・「ノーキス」キャンペーンを計画している。
(翻訳編集・李凌)
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