米海軍は、8月中旬にハワイ沖で行われた実弾射撃訓練の映像を公開した。今回の実弾射撃は、今回の2021大規模演習(Large Scale Exercise 2021)の一環だ。クライマックスとなる射撃訓練では、標的となる船が沈む様子が映し出された。拡張主義を取る中国共産党を牽制する強烈なメッセージを送っている。
24日に公開されたこの映像は「大規模演習期間中の遠隔海上打撃」(Long-range Maritime Strikes During Large Scale Exercise 21)と表記され、「多分野、多プラットフォームの遠隔海上打撃」と説明されている。
勇ましい音楽とともに、2021大規模演習が「空、陸、海からの我々の共同作戦能力」とテロップが出されてる。その後、複数のシーンで、戦闘機、潜水艦、空母艦載機、海兵隊が対艦攻撃に備える様子が映し出されている。
実弾射撃では、最初に潜水艦から発射された対艦ミサイルが海面から、次に海兵隊の地対艦誘導弾が無人車両から、その後に戦闘機から対艦ミサイルがそれぞれ発射された。
映像では、標的船である米軍退役フリゲート艦イングラハム(USS Ingraham)が複数の角度から多数のミサイルを受け、煙が上がりやがて沈む様子が映し出された。
米軍はこの映像を通じて、中国共産党を含む敵対的勢力に向け、太平洋に進出すれば同じ結果に遭うだろうといった明確なシグナルを送っている。
バイデン政権の国防長官候補の一人であり、オバマ政権下で副国防長官を務めたミッシェル・フロノイ氏は、2020年6月18日付のフォーリン・アフェアーズに掲載された「アジアでの戦争を回避する方法」の中で、対中抑止について次のように語っている。
「もし米軍に、南シナ海にいる中国(中共)の軍艦、潜水艦、商船を72時間以内にすべて沈める、といった脅威を与えることができれば、中国(中国共産党)の指導者たちは、たとえば台湾を封鎖したり攻撃したりすることを考え直すだろう。また、全艦隊を危険にさらす価値があるかどうか、ためらうだろう」。
米軍は通常2年に1度、環太平洋地域で実弾射撃による標的艦演習を行っている。 前回は2020年8月30日に開催された「環太平洋演習(RIMPAC)」であり、米海軍が同盟国やパートナー国など10カ国の海軍とともに対艦ミサイルを標的に命中させた。
(翻訳・源正悟)
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