中国陜西省西安の大学の研究チームによると、中国では45年後に人口が半減し、これまでの予測よりも減少速度は早い可能性がある。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト9月30日付によると、西安交通大学(以下、西安交大)の研究チームは中国当局が昨年発表した合計特殊出生率1.3に基づき人口推移を試算した。その結果、45年後に人口は半減するという。この数字は、人口を維持する2.0を大幅に下回っている。
これまでの多くの研究は、中国の人口はゆるやかに減少するとの見方を示していた。国連は2019年の「世界人口展望報告書」で、中国の人口は2065年時点で13億人を維持すると推測した。米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)の研究では、2100年までに半減すると試算した。
今回、中国の人口推移を推計した西安交大・人口発展研究所の姜全保(きょう・ぜんほ)教授は、既存の研究では中国人口減少のスピードがかなり過小評価されていたと指摘した。さらに、研究チームは、合計特殊出生率が1.0人になる場合、29年後に人口半減すると予想した。
中国当局が2020年に発表した国勢調査は初めてデジタル機器を用いて収集されており、これまでの調査のなかで最も実際の人口動態に近いものとみられている。この調査によると、中国の人口における子どもの割合は17%で、60歳以上の割合は18%だった。中国で、若者よりも高齢者の数が多いのは初めて。
人口減少問題を克服するために、中国政府は今年、3人目の子どもの出産を容認した。しかし、不動産価格の高騰、出産や介護サービスの不足などで出生につながる環境は整わず、出生率は引き続き低下するとの見込みだ。
(翻訳編集・蘇文悦)
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