米国立衛生研究所(NIH)の高官は20日、NIHが中国の武漢ウイルス研究所の「機能獲得」の研究に資金を提供したことを認めた。資金はNIHから研究資金を得ている非営利団体エコヘルス・アライアンス(EcoHealth Alliance)を通じて流出したという。
NIHの副所長ローレンス・タバック博士が、監視と改革に関する米下院委員会代表のジェームズ・コーマー(共和党)氏に宛てた書簡の中で、「ある限定的な実験」について言及した。米誌「ナショナル・レビュー(National Review)」は21日、報じた。
中国で行われているこの「限定的な実験」は、コウモリ由来のコロナウイルスのスパイクタンパク質が、ヒトACE2受容体と結合できるかどうかをマウスを使って検証するためのものだという。
タバック氏によると、改変されたコウモリウイルスに感染したマウスは、改変されていないコウモリウイルスに感染したマウスよりも「病状が悪化した」という。
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、5月と7月に米議会で行われた公聴会で、米国が武漢ウイルス研究所の機能獲得研究に資金を提供していたことを否定してきた。
調査報道サイト「ジ・インターセプト(The Intercept)」は、エコヘルス・アライアンスがNIAIDに提出した助成金申請書を入手した。
それによると、武漢ウイルス研究所に提供した資金のうち、59万9000ドル(約6836万円)が「ウイルスをより危険、あるいは感染力を高めることを目的とした研究」に使用されたことが判明した。
(翻訳編集・李凌)
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