米司法省が16日に発表した声明によると、フロリダ州地裁の陪審団はこのほど、海軍の機密情報にアクセスできる中国系士官が、中国人ビジネスマンとの接触について嘘の報告を行ったとして、有罪判決を下した。士官は不正輸出で有罪判決を受けた中国人ビジネスマンのために違法に銃も購入した。
声明によると、陪審団は、海軍中尉であるファン・ヤン(36)、妻のヤン・ヤン(36)、中国籍のゲー・ソンタオ各被告について、米国銃器法への違反行為を共謀して、2丁の銃を購入する際に連邦政府の認可を受けた銃器販売業者に虚偽の陳述をし、海軍の身元調査を受けた際にも虚偽報告を行ったとした。
ファン・ヤン被告は最大30年の懲役を言い渡される可能性がある。同容疑者に対する判決は、来年3月16日に下される。
起訴状によれば、ファン・ヤン被告は海軍で対潜水艦戦の訓練を受けたことがある。海軍の飛行士として、海軍のP-8ポセイドン陸上哨戒機を操縦し、センサーの操作や戦術の調整も行った。
ファン・ヤン被告は海軍士官になる前、ゲー被告とネット上で知り合い、2013年に2人は直接会って話した。当時、ヤン被告はフロリダ州のペンサコーラ海軍航空基地で飛行訓練を受けていた。
2016年、同州ジャクソンビルに駐在していたファン・ヤン被告は、ゲー被告に対して、妻のヤン・ヤン被告を中国上海市にあるゲー被告の会社で雇うよう求めた。ゲー被告が率いる上海軽風科技公司(以下は上海軽風)は、米国で法執行や軍事任務のために設計された海上機器を購入し、中国に輸出している。
ヤン・ヤン被告は、上海軽風とゲー被告のアシスタントであるジェン・イェン被告から30万ドル(約3445万円)以上の資金を受け取った。これらの資金は、ヤン夫婦が経営する会社「BQ Tree LLC」を経由して、ヤン・ヤン被告への給料、上海軽風の米国での経費、ゲー被告がヤン夫婦に購入を命じた商品の代金に使われた。
司法省によると、2017、18年、ファン・ヤン被告はゲー被告の指示を受けて拳銃2丁を購入し、ゲー被告から購入用の資金を受け取った。ヤン被告は拳銃を購入する際、銃器取引記録に記入し、拳銃はゲー被告のためではなく、自分自身のために購入したと偽りの理由を書いた。
検察側は、ファン・ヤン被告が海軍に対して、ゲー被告との関係を一貫して隠していたと批判した。
ファン・ヤン被告は海軍の最高機密情報にアクセスする権限を持っていた。2019年1月、同被告はジャクソンビルにある海軍パトロール・偵察武器学校の教官として配属された。その後、機密情報へのアクセス許可の更新を巡って、同被告は海軍の身元調査書に記入し署名した。同調査書には、外国人との密接、または継続的な接触があるかとの質問があった。ヤン被告はゲー被告との接触を開示せず、中国国内に銀行口座を持つことや会社の経営なども隠した。
司法省によると、2020年11月2日、ゲー被告は、軍用空気注入式ボートなどの米国から中国への不正輸出に関する複数の違法行為について、罪を認めた。21年7月4日、連邦地裁はゲー被告に3年6カ月の懲役刑を言い渡した。ジェン・イェン被告とヤン・ヤン被告は昨年8、9月、この不正輸出に関わったと罪を認め、それぞれ懲役刑を言い渡された。
(翻訳編集・張哲)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。