[香港/シドニー 30日 ロイター] – 新型コロナウイルス新変異株「オミクロン」の感染拡大を阻止するために世界で水際対策を強化する動きが広がる中、香港政府は入境禁止の対象国を拡大した。豪州では5人の感染者が出ており、30日に感染抑制措置が閣議で検討される見通しとなった。
シンガポール保健省は、南アフリカを出発してシンガポールのチャンギ空港経由でシドニーに到着した2人の旅行者がオミクロン株に感染していたと発表。
アフリカ南部で最初に見つかったオミクロンについて、世界保健機関(WHO)は感染急増リスクが非常に高いとの認識を示した。各国による国境再封鎖は、2年間のコロナ禍からようやく回復しつつあった世界経済に水を差す恐れがある。
香港政府は29日遅くに発表した声明で、アンゴラ、エチオピア、ナイジェリア、ザンビアからの非居住者の入境を30日から禁止する方針を示した。
また、入境禁止を拡大し、過去21日間にオーストラリア、カナダ、イスラエル、欧州6カ国に滞在した非居住者の入境も12月2日から禁止する計画。
オーストラリアの保健当局によると、オミクロン感染が判明した5人の旅行者はワクチンを接種済みで隔離されている。無症状あるいは非常に軽い症状だという。
豪政府は29日、海外からの留学生と技能移民の受け入れ再開を延期。ハント保健相は記者会見で「十分に警戒しての措置だが、われわれの大筋の見方は、オミクロンは対処可能な変異株というものだ」と述べた。
オミクロンの出現で先週末に荒れた金融市場は、今週に入ってからやや落ち着いた。恐れていたほど重症化しないとの見方が強まったからだ。バイデン米大統領がロックダウン(都市封鎖)を再導入することはないと言明したことも市場の安心感につながった。
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