台湾のたばこや酒類製造販売大手、台湾煙酒公司は3日、中国当局の報復措置によって中国の港で足止めされたリトアニア産ラム酒2万400本を買い取ったと発表した。台湾では昨年、リトアニア産ビールの販売量は23倍に急増した。
中国当局は昨年8月以降、台湾との関係を強化し、台湾代表処の設置を承認したリトアニアからの農産物輸入手続きなどを停止し、中国とリトアニアを結ぶ直行貨物列車の運行も取りやめた。
台湾煙酒によると、昨年12月18日、同社は駐リトアニア台湾代表処の黄鈞耀代表(大使に相当)と財政部(財務省に相当)から相談を受け、リトアニアの酒類製造会社「MVグループ(MV Group Production)」のラム酒2万本余りが行き場を失ったことを知った。関係先などを通じて、MVグループのラム酒を購入したという。同社は今後、台湾市場の需要を見ながら、リトアニアの酒類製造企業に協力していくとした。
ラム酒は今月上旬に台湾に到着する予定。新たに中国語ラベルに張り替えた後に販売するという。すでに台北の老舗ホテル、圓山大飯店(ザ・グランドホテル)からラム酒の購入について問い合わせがあった。台湾煙酒は、中国当局から報復措置を受けているリトアニアを声援するよう、市民にラム酒の購入を呼びかけた。
リトアニア紙リエトゥヴォス・リータス(Lietuvos Rytas)によれば、同国のビール製造会社、ヴォルファス・エンゲルマン(Volfas Engelman)は昨年、台湾に向けてビール8000トンを輸出した。前年比で23倍に急増したという。同社のホルバチャウスカス(M.Horbačauskas)社長は、中国市場での損失は台湾市場での販売拡大によってカバーされると話した。社長は今年、台湾での販売量はさらに増えると推測した。
台湾メディアの報道では、昨年、中国本土の取引先が受注をキャンセルしたことで、ヴォルファス・エンゲルマン社は約50万ユーロ(約6549万円)の損失を被った。
(翻訳編集・張哲)
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