米国務省、中共による仏像破壊を非難 チベット人に立ち会い強要

2022/01/17 更新: 2022/01/17

米国務省は13日、中国共産党政権によるカンゼ・チベット族自治州にある巨大仏像の破壊行為など、チベット仏教徒に対する弾圧行為に懸念を表明した。ここ数週間で二体の仏像が取り壊されており、同政権は地元の僧侶とチベット住民に解体工事への立ち合いを強要した。信教を断念させるために精神的苦痛を与えることが狙いとみられている。

米国務省の世界信教自由局は声明のなかで「中国共産党政権による仏像やマニ車(仏経を収納する仏具、転経器)の破壊、祈祷旗の焼却など、中国のチベット仏教徒に対する行動がエスカレートしていることに心を痛めている」と述べ、中国当局にチベット人の信仰の自由を尊重するよう求めた。

米国営放送ラジオ・フリー・アジア(RFA)によるとカンゼ・チベット族自治州の巨大仏像(約30メートル)の解体工事は昨年12月12日から9日間続き、多くの武装警官が配置された。チベット亡命政府によると、取り壊しに異議を唱えたチベット人は殴打され、逮捕されたという。

チベット亡命政府の台湾代表ケルサン・ギャルツェン氏は大紀元のインタビューで、中国共産党政権による仏像の破壊行為は中国からチベットの宗教や文化を根絶する活動の一環であると指摘した。

さらに「チベット人にとって、仏像は自分の命よりも大切なものだ」と述べ、目の前で仏像が破壊されたことにより、彼らが受けた精神的プレッシャーは計り知れないと語った。

中国当局はすでにチベットの寺院に掲げられている亡命中のチベット仏教の精神的指導者ダライ・ラマ14世の写真を中国共産党の指導者の肖像に差し替えている。

米国をはじめ国際関係担当。
関連特集: 中国人権問題