[ブリュッセル 27日 ロイター] – 欧州連合(EU)欧州委員会は、中国がリトアニアに対し貿易面で差別的措置を取り、EU単一市場の保全を脅かしているとして世界貿易機関(WTO)に提訴した。
昨年、リトアニアで台湾の事実上の大使館である代表機関が開設された。中国は猛反発しリトアニアとの外交関係を格下げし、多国籍企業にリトアニアとの関係を絶つよう圧力をかけた。
欧州委は声明で、中国の措置はリトアニアや域内の輸出企業に打撃を与えていると指摘。リトアニア製品が中国の税関で差し止められたり、同国からの輸入申請が拒否されたりしているほか、EU企業は中国への輸出品についてリトアニアからの調達をなくすよう圧力を受けているという。
欧州委は、中国税関の統計として、昨年12月のリトアニア製品の貿易は前年比91%減少したとし、こうした中国の措置はWTOルール違反と主張した。中国と交渉して解決を試みたが失敗したという。
ドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は「EUは単一市場の保全を脅かす措置に一致団結し迅速に行動する所存だ」と述べた上で外交努力も行っているとした。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。