「東京タワー」が旧暦の大晦日にあたる1月31日夜、一夜限りで赤一色にライトアップされた。中国側が「中国紅」と呼ぶこのイベントは、中国向けに生中継された。
「日中国交正常化50年を祝う東京タワーレッドライトアップ」と題するこのイベントは今年で開催4年目となった。今年のテーマ「未来」は北京冬季五輪の大会スローガン「共に未来へ」に由来する。
駐日中国大使館、日本外務省、東京都、佐賀県、大分県、CGTNなどが共催・後援している。元卓球の五輪メダリスト・福原愛さんがヘリコプターから中国語で上空の様子をレポートした。
岸田文雄首相をはじめ、東京都の小池百合子知事や佐賀県議会の藤木卓一郎議長、大分県の広瀬勝貞知事らが祝辞を寄せた。
中国のご機嫌取り
「打倒中国共産党」「消滅中共」。
いっぽう、イベントに反対する日本の団体は現場付近で抗議活動を展開した。
在日中国人の丁東氏はラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、「これらのスローガンは多くの日本人の声を代表しているはずだ」と述べた。
「尖閣諸島、コロナ、香港、新疆での人権問題で、日本人の中国に対するマイナス感情は過去最高に達している」
日本人の9割が中国にマイナス印象を抱いていることが近年、実施された各種世論調査でわかっている。
「駐日中国大使館の楊宇臨時代理大使の話はほぼウソだ。彼の強引な中国プロパガンダは日本人のさらなる反感を呼ぶだけだ」と丁氏は指摘した。
楊宇臨時代理大使は「中国は人類運命共同体の構築を己の責務とする」「日本などの各国と積極的に協力していく」などと述べた。
産経新聞台北支局長の矢板明夫氏はRFAに対し、「中国は日中国交正常化50周年を機に、日本との関係やイメージアップを図ろうとして、大規模な対外宣伝活動を展開している」と指摘した。
「ただ、日本人に中国に浸透されたという印象を与えかねない」と活動の逆効果を指摘した。
静岡大学の楊海英教授は、東京タワーを真っ赤に染め、「中国紅」と名付けるこのやり方は「中国の機嫌を取っている」として、イベントに関わった日本の政治家を批判した。「媚中勢力によるイベントだ」と切り捨てた。
(翻訳編集・李凌)
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