[東京 4日 ロイター] – 松野博一官房長官は4日午後の会見で、国内にある原子力発電所にミサイル攻撃があった場合は、イージス艦に搭載されているMS3やPAC3などで多層的に迎撃する計画であるとの見解を示した。
松野官房長官は、日本に対して武力攻撃があった場合には、国民保護法などに基づいて警報を発令したり住民に対する退避措置を行ったりすることになっていると説明。原発に関しても、原子力規制庁が原発の運転を命令したり、突発的なケースでは事業者の自主的な判断で運転を停止できるとした。
その上で、ミサイル攻撃があった場合には「SM3搭載のイージス艦による上層での迎撃と、PACによる下層での迎撃を組み合わせた多層防衛で迎撃する」と述べた。
一方、ロシア軍がウクライナ南東部にある欧州最大級のザポロジエ原子力発電所に攻撃を加えたと報道されていることに関し、松野官房長官は情報の収集に努めていると述べた。同原発から放射能が漏れた場合の日本への影響に関しては、原子力規制庁が国際原子力機関(IAEA)と連携し、放射線量の情報を随時収集する体制になっていると説明。国内に47カ所ある放射線モニタリングポストでも常時、放射線量を計測しているとした。今のところ、47カ所全てで「放射線量に変化はないが、注視していく」と述べた。
また、4日に国家安全保障4大臣会合が開催され、ウクライナから要請のあった物資提供について、自衛隊法や防衛装備移転3原則の範囲内で非殺傷の装備品提供を決めたと述べた。具体的には、防弾チョッキ、鉄棒、防寒服、天幕、カメラ、衛生資材、非常用糧食、発電機など。自衛隊機で運搬するが、具体的な日時などについてはこれから検討していくという。
殺傷能力のある装備品の提供は「考えていない」と否定した。防衛装備移転3原則は紛争当事国への装備品移転を禁じているが、松野官房長官は、紛争当事国の定義に関し「武力攻撃の発生に関し、国連安保理が措置を取っている対象国が(紛争当事国に)該当し、ウクライナは該当しない」と説明した。
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