自民党議員団、台湾蔡英文総統と会談 安全保障における日台関係の重要性を再確認

2022/05/05 更新: 2022/05/05

台湾を訪問中の自民党青年局の議員らは5日午前、蔡英文総統と会談を行った。蔡英文氏は安全保障における日台関係の重要性を強調し、権威主義体制に対抗して民主主義と自由を守る決心を示した。鈴木憲和衆院議員は台湾海峡の安定は日本にも有益だと述べ、台湾の国際機関への参加をより一層後押ししていくと語った。

会談は台北の総統府で行われた。蔡英文氏は、日本政府が台湾の国際機関への参加を支援し、台湾海峡の平和と安全は重要であることを表明してきたことに感謝の意を表した。コロナ禍における医療物資の援助は「善の循環」を生み出し、日台関係はさらに密接になったと述べた。

蔡英文総統は会談で、日台関係の重要性を強調した(台湾総統府提供)

中国共産党が軍の動きを活発化させるなか、蔡英文氏は民主主義と自由を守る決意を示した。「世界で権威主義体制が拡張するなか、台湾は民主主義の最前線に位置している」とし、「今後も引き続き民主主義同盟の国々と連携しながら民主や自由等の価値を守り抜いていく」と述べた。

日本と台湾の安全保障は、単一の国家の問題ではないと蔡英文氏は指摘した。「第一列島線全体、そして地政学的な視野から考えなければならない」とし、日台関係の重要性を強調した。「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」との安倍晋三元首相の言葉に触れ、「台湾の人々も大きな関心を寄せている」と述べた。

加入を目指す環太平洋経済連携協定(CPTPP)についても、著作権法や商標法などの法改正を行うことで、高い国際基準を満たしていく決心を示すことができたと語った。

鈴木憲和衆院議員は5日、台湾の総統府で蔡英文総統と会談した(台湾総統府提供)

自民党青年局の鈴木憲和局長代理は、ロシアによるウクライナ侵攻で国際情勢が緊張感を増すなか、台湾を訪問し交流することには大きな意義があると述べた。「台湾海峡の安定化は日本の安定化にもつながる」とし、「力による現状変更は断じて認めてはいけないというメッセージを共に発していくことが大切だ」と強調した。

さらに鈴木氏は「WHO、そしてICAO(国際民間航空機関)などの国際機関に対して、台湾が参加できるようにこれまでも後押ししてきたが、これからもより一層後押しをしていきたい」と述べた。

自民党青年局の議員および日本青年会議所幹部からなる11人の訪台団は3日から7日まで滞在し、頼清徳副総統ほか政府要人との会談のほか、李登輝氏の墓参りを行うなど、日台双方の関係強化に努めている。PRC検査で一人が陽性判定になったことから、総統との会談は鈴木憲和、鈴木隼人両議員のみの参加となった。総統は感染者の早期回復と一行の健康を祈ると労いの言葉をかけた。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
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