英国のビジネス・エネルギー産業戦略相クワシ・クワーテング氏は18日、中国への政府開発援助(ODA)を来春に終了すると発表した。中国国家プロジェクトである「一帯一路」構想への対抗であるとみられる。
英紙デイリー・メール電子版によると、英政府は中国での「研究活動とイノベーション」のために拠出する1300万ポンド規模の援助を今年で終了することも決めた。
ただ、気候変動分野での中国への「技術支援」について、引き続き資金を提供するという。資金規模が小さく、ODAに分類されないという。
英政府は16日、対外援助予算の使い道をより詳細に管理するための改革を含む新しい国際開発戦略を発表した。エリザベス・トラス外相が公表したこの新戦略では、英国の対外援助金の金額が減らされる。また、英国民の税金で賄われるODAは、多国間ではなく、英国との二国間協定を結んだ国に配分される。
新戦略は「悪質な行為者への依存を低減し選択肢を提供するとともに、より多くの国を自由市場経済の軌道に乗せる」とした。対外援助を巡る英政府の転換は、「債務のわな」と批判されている中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を念頭に置いたものだとみられる。
英外務省は、新戦略では中低所得国に「誠実で信頼できる資金」が提供されると強調した。また、中低所得国に「自分の将来を自分で決め、条件付きの持続不可能な債務を背負わされることがないように代替案を提供することもできる」とした。
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