[ワシントン 27日 ロイター] – バイデン米大統領は27日、違法漁業への対応に向けた国家安全保障の覚書に署名した。中国漁船を含め、違法とされる漁業の取り締まりに取り組む国を支援する確約の一環。
米政府高官は、覚書が各政府機関に「強制労働を含む人身売買を撲滅し、安全で持続可能な海洋の利用を促進する」ことを指示するとし、労働省や国防総省、米国沿岸警備隊などが民間や他国のパートナーと連携し、強制労働に関与しているとみられる漁船や操業者を調査するとした。
さらに、今回の取り組みは特定国を対象としているわけではないとしつつも、中国が最大の違反国の一つとし、「中国はコミットメントを守り、他国の海域での漁船活動を積極的に監視し、是正する責任がある」と述べた。
ホワイトハウスは声明で、違法・無報告・無規制(IUU)漁業問題に対処する監視・管理の強化に向けた「緊急行動を取る」ため、カナダおよび英国と同盟を立ち上げる方針を明らかにした。
一方、中国は違法漁業を取り締まるため国際的に協力しており、二国間協定に基づき排他的経済水域(EEZ)で漁業を行っていると主張。
在ワシントン中国大使館の報道官は「米国の非難は全く真実ではなく、海洋環境の保護や持続可能な漁業における国際協力の促進には何の役にも立たない」と批判した。
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