米国の複数のメディアによると、中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」は6月30日、米共和党の上院議員9人に宛てた書簡で、親会社である中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)の従業員が米国人ユーザーのデータにアクセスできると認めた。
TikTokの周受資(Shou Zi Chew)最高経営責任者(CEO)は書簡の中で、「バイトダンスの従業員は、TikTok上の米国人ユーザーのデータにアクセスできる」と示した。ただ、バイトダンスの中国人従業員らは、米国に拠点を置くセキュリティーチームが監督する承認を受けて、初めて米国人ユーザーのデータを見ることができるという。
書簡は、TikTokは現在「ユーザーデータと米国家安全保障上の利益を完全に保護する」ことを目的とする「プロジェクト・テキサス(Project Texas)」に取り組んでいると明らかにした。
また、同社は米ソフトウェア大手のオラクル(Oracle)と共同で、より高度なデータ・セキュリティー制御技術を開発しているという。
TikTokは今、米国人ユーザーのデータを全てオラクル・クラウド・インフラストラクチャーに保存しているとした。
トランプ前大統領は2020年、中国政府がバイトダンスを通じて米国人ユーザーの個人情報を集める可能性があると指摘し、データ・プライバシーとセキュリティー上の懸念から、米国内でのTikTokの使用を禁止するとの姿勢を示した。
いっぽう、周CEOは中国共産党政権からの指示を受けておらず、中国政府に米国人ユーザーのデータを提供していないと書簡の中で強調した。
米通信当局、連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員は28日、米IT大手のアップルとグーグルのCEOに宛てた書簡をツイッター上で公開した。
カー委員は、両社のトップに対し、それぞれのアプリストアからTikTokを削除するよう要請した。同氏は書簡の中でTikTokについて、「中国の法律で政府からの監視要請に従うよう義務付けられている」「大量の個人情報や機密データを採取する高度な監視ツールとして機能する」と批判し、米国の国家安全保障に「受け入れがたいリスク」をもたらしているとした。
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