10億人分の情報、法輪功学習者拘束情報も 「警察組織内闘争に関係」との見方

2022/07/08 更新: 2022/07/11

中国人10億人分の個人データ漏えい問題に関して、データの中には中国政府から弾圧されている伝統気功グループ、法輪功の学習者の拘束情報も含まれていることがわかった。専門家は、中国指導部や警察組織内の権力闘争が背後にあると指摘した。

「ChinaDan」と名乗るハッカーは6月30日、ハッカーフォーラム「Breach Forums」で、自身が中国上海市警察のデータベースにハッキングして10億人分の個人情報を入手したと投稿し、この23テラバイト(TB)を超えるデータを「10ビットコイン(約2700万円)で売却する」とした。

「ChinaDan」は「データベースには中国人10億人の個人情報、氏名、住所、出生地、身分証明ID番号、携帯電話番号などと、数十億件の犯罪や事件の詳細記録が含まれている」と主張。

「ChinaDan」は約75万件のデータサンプルを公開した。

大紀元は6日、上海市警察にコメントを求めた。担当者は「この問題に関して、あなたたちは心配しなくていい。われわれは知っている」と述べた。

大紀元は75万件のデータサンプルをもとに、中国人住民に電話をかけ、事実確認を試みた。山東省青島市に住む顧さんを含む複数の中国人住民から確認が取れた。顧さんは「上海を訪ねたこともなく、(仕事などで)一度も上海と関わったことがない」とした。

データサンプルの通報記録では、一部の市民が法輪功学習者から迫害事実を訴えるチラシ、電話、ファックスを受け取った後、地元の警察当局に通報したことが明らかになった。

上海市浦東新区周家渡街道の住民1人は、家の郵便受けに法輪功に関するチラシが入っていると通報し対応を求めた。この通報情報は市警察のほかに、中国国内の治安維持を担当する国保当局(公安省国内安全保衛局)にも共有された。

また、上海市警察が法輪功学習者を拘束し、強制労働収容施設などに連行したとの情報も含まれている。同市楊浦区に住む女性法輪功学習者の周賢文さんはその1人だ。

法輪功情報サイト「明慧網」によると、周さんは2007年7月31日に逮捕された後、洗脳クラスに連行された。19年6月24日、周さんは再び拘束され浦東新区張江看守所に入れられた。収容施設で拷問や不明な薬物注射を受け、深刻な心臓病や高血圧の症状が現れた。当局は同年9月に周さんを解放した。21年8月、周さんは死去。享年73歳。

時事評論家の江峰氏は、上海市警察から10億人分の個人情報が漏えいしたタイミングに着目し、中国指導部の権力闘争が関係していると指摘した。

中国指導部は6月24日、警察を管轄する公安相に王小洪氏を任命した。王氏は、習近平国家主席が1990年代初め福建省福州市トップだった当時、同市公安局副局長などを務めた。習氏の側近の1人とみられる。

江峰氏は「今回の個人データ漏えいは、王氏と習氏に対する党内の反習近平勢力の威嚇であろう」との見解を示した。

習近平政権は昨年8月、上海市警察元トップの龔道安を「重大な規律違反と法に違反した疑い」で調査していると発表した。龔は10年、公安部(省)次官だった孫力軍の後押しを受けて、技術偵察やデータベース管理などを担う公安部第12局副局長に任命された。党内江沢民派の孫力軍も20年4月に汚職などで失脚した。

「警察組織における孫勢力の反撃かもしれない」と江氏は示した。

張哲
張哲
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