「共同富裕」VS「改革開放」習近平と李克強両氏、地方視察で持論展開

2022/08/18 更新: 2022/08/18

中国政府系メディアはこのほど、約2週間ぶりに中国最高指導部の動静を報道した。これによると、李克強首相が16日に南部広東省深セン市で、国内景気回復に向けて浙江省などの主要経済省の幹部らと会談した。いっぽう、習近平国家主席は17日に北部遼寧省を訪ねた際、看板政策の「共同富裕」を再び強調し、2人の違いを浮き彫りにした。

避暑地・北戴河で行われていた中国共産党指導部の非公式会議が終わったとみられる。

改革開放

李克強首相は深セン市で6省の幹部らを集めて経済対策会議を開いた。国営中央テレビ(CCTV)が16日、李首相が会議を主宰する様子を放送した。広東、江蘇、浙江、山東、河南と四川の6省の各幹部らが出席した。

首相は、引き続き経済安定化に向けた政策パッケージの実施を加速していくと述べた。マクロ政策の力を強め、改革開放を引き続き推進し、雇用と物価を安定させ、基本的な民生を保障すると示した。

また、6省が全国4割の雇用を担っているとして、「経済大省の主な責任は、地元の労働者と出稼ぎ労働者の雇用を安定させることである」と指示した。また、地方政府の財源を確保するために、各省の政府が引き続き倹約を徹底するよう求めた。

首相は「個人消費を促進するための方法をもっと増やそう」とした。外資企業などに関しては「高レベルの対外開放を推進して、対外貿易と外資を安定させ、ウィンウィン関係を実現する」と強調。

習近平氏は共同富裕を強調

CCTVは17日、習近平国家主席が16日に遼寧省錦州市を視察する映像を放送した。

報道によると、習氏は1948年に起きた遼瀋戦役の記念館を見学し、地元政府の幹部らに水害対策に関して指示を行った。また、一部の市民と交流した際、「中国式の近代化は、一部の人だけではなく、全国民が共に豊かになる現代化である」と発言した。いっぽう、経済の急減速には触れなかった。

中国共産党機関誌「求是」も16日、習近平氏の評論記事を掲載した。記事は「共同富裕は経済問題だけでなく、党の政権運営の根本に関係する重大な政治問題である」と主張。

ただ、「全国民が共に豊かになることは長期的な任務で、焦りを止めることはできないが、何もしないで待つこともできない」とした。

大紀元コメンテーターの李林一氏は、「習近平氏と李克強首相の発言は経済問題に重きを置いている。景気回復が中国共産党の今の優先課題であることがわかる。ただ、習氏は共同富裕を、李氏は開放をそれぞれ唱えている。これは今秋開催の党大会の主要議題になるのではないか」とした。

習氏と李氏はこれまで、公の場で違った政策方針や考えを述べてきたため、両氏の不仲説が浮上している。両氏は今回も「自分の言いたいことを言う」こととなった。

ネット上では、「中国は半分に分かれたか。習氏は北を、李氏は南を支配するようになるのか」「開放を続ける一方で、共同富裕も実現していく。結局誰の言うことを聞くべきか」「習氏が毛沢東思想を学習したのに対し、李氏は鄧小平思想を守りたい」などの声が集まった。

張哲
張哲
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