米国農地を中国の買収から守る 上院議員が法案提出

2022/08/22 更新: 2022/08/22

米国のマイク・ラウンズ上院議員は17日、中国による米国の農地や農業企業への投資及び買収を阻止する法案を発表した。国家安全保障食糧供給の安全性が脅かされていると危機感を示し、「米国の利益を確実に保護する」と強調した。先月には、米下院議員らが同様の法案を提出している。

最近では、中国の化学調味料メーカー・阜豊集団(フフォングループ)がノースダコタ州のグランドフォークス空軍基地近くの農地を購入したことをめぐって、外国企業による土地購入を阻止する動きが相次いでいる。

法案は、中国、ロシア、イラン、北朝鮮の個人・企業を対象に、農地や企業への投資や買収を禁じる。また、外国企業による農地・農業企業の買収が米国の農業分野にもたらすリスクについて、180日ごとに報告書を提出するよう農務長官に求めるとした。現在、米国では約14の州で外国人の土地所有について制限を設けているものの、連邦政府は外国人による農地所有を規制していない。

ラウンズ氏は法案提出にあたり「米国の農地を保護することは、国家安全保障を維持する上で極めて重要」だと強調。米国の弱体化を狙う中国などによる農地購入に歯止めをかけ、即座に行動を取る必要があると訴えた。

ラウンズ氏は、阜豊集団による農地購入にも言及した。「中国共産党が非常に重要な軍事施設の運営と通信を綿密に監視することを可能にする」と述べた上で「農家や牧場主は敵対的国家による農地所有を憂慮している」と付け加えた。

グランドフォークス空軍基地は重要な軍用無人機技術を運用しているほか、新設された米宇宙軍の早期警戒システムの拠点にも近い。米空軍は、商業経済開発プロジェクトを利用した、中国の国家諜報活動の手法だと懸念を表明している。

先月には、エリス・ステファニック下院議員らが同様の法案を提出。マルコ・ルビオ上院議員も阜豊集団による農地購入について懸念を表明し、対米外国投資委員会(CFIUS)に精査を求めている。

米国をはじめ国際関係担当。
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