中国PCR検査キットメーカー、上半期純利益3300億円超 「厳格な感染対策が後押し」

2022/09/15 更新: 2022/09/15

中国PCR検査キット製造会社10社がこのほど、中間決算報告を行った。10社の当期純利益総額は160億元(約3299億円)を上回った。いっぽう、中国上場企業4800社の約半数は減益となった。

中国メディア「一見財経」の報道によると、武漢明徳生物科技股份有限公司(以下は明徳生物)、上海蘭衛医学検疫所股份有限公司(以下は蘭衛医学)を含むPCR検査キット製造会社10社の上半期の総売上高は485億1800万元(約9996億円)で、純利益総額は162億9700万元(約3358億円)となった。明徳生物の当期純利益は前年同期比376.29%増加した。伸び率として10社のうち最も高い。

蘭衛医学も同300%以上増加した。上海市は3月末から5月下旬にかけて、約2カ月ロックダウン(都市封鎖)を実施した。封鎖期間中、市民が大規模なPCR検査を繰り返されていたことが、蘭衛医学の増益につながったとみられる。

いっぽう、コロナ禍の中、その他の業界は売上低迷で減益となった。上場企業4800社が発表した中間決算によると、53%の企業の純利益が減った。赤字を報告した上場企業は約900社で、過去最多となった。

上海市で起業し、スマホアプリ開発を始めた元ジャーナリストの黄金秋氏は3月末の都市封鎖措置に遭い、巨額の損失を被ったと大紀元に語った。なかでも痛手だったのが、優秀な人材の流出だという。

「封鎖期間中、開発に関わっていた研究員が長く出社できなかっただけではない。長期間の封鎖から逃れようと上海市から地方に出かけた研究員や社員は結局上海市に戻ることがなく、湖北省や重慶市などにとどまり再就職した」。

米CNNは同月20日以降、感染の再拡大で中国の少なくとも74都市で都市封鎖、または一部封鎖が実施されていると伝えた。対象人口は約3億1300万人。各地では民衆に対し大規模なPCR検査を行っている。

コロナ禍で景気低迷が続く中、PCR検査キットメーカーの好調ぶりについて、黄氏は中国政府の感染を徹底的に封じ込め対策が「後押しした」と指摘した。

同氏は「その中に役人と企業が癒着し、民衆にPCR検査を強制的に受けさせることで荒稼ぎしている可能性は高い」との考えを示した。

(翻訳編集・静媛)

張哲
張哲
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