中共が使う「台独(台湾独立)」は騙しのロジック【現代中国キーワード】

2022/12/04 更新: 2022/12/04

台独
誤解を避けるため、先に結論を申し上げておく。台湾の未来は台湾人が決める。それ以外の見解を示唆する意図は、小欄にはない。

「台独(タイドゥ)」について、中共は、自国メディアを通じて「堅持反対和遏制“台独”分裂」などと盛んにいう。日本語に直すと「台湾独立による分裂主義に断固として反対し、抑制する」となろうか。

こうした「中共の論調」を日本の各メディアが無批判に伝えた場合、ふと懸念されるのは「台湾は中華人民共和国から分離独立したいのか?」という大誤解が日本人のなかに生じることなのだ。

中共は、日本や世界がそう誤解するよう画策し、さらには台湾の野望を印象づけることも含めて「一つの中国」を宣伝しているとも考えられる。日本のメディアが「台湾問題」と書けば、台湾に問題があるように見えてしまうのだ。

当然ながら、中共による統治が台湾島に及んだことは一度たりともない。つまり「中共中国からの分離独立」という論法は、始めから成立しないのである。

民主国家である台湾には、いろいろな考え方がある。ごく一部には、大陸中国との統一を望む人もいる。ただし、大多数の台湾人は「台湾は台湾である」という明白な事実に基づき、現状維持か、一歩進んで「独立」を目指すか、ということなのだ。

もちろん、彼らのいう「独立」とは、中共政権からの分離独立ではなく、台湾人自身が「旧来の中華民国から脱却すること」を指す。そもそも中共が出る幕ではない。