ウクライナ議会のキラ・ルディック議員は、台湾からの支援を拒むよう求める文書を中国大使館から受け取っていたことを明らかにした。ルディック氏は「中国からは何の支援も届いていない」と返答したという。
台湾メディア、民視新聞網の単独インタビューを受けたルディック氏は26日、台湾による発電機の寄付といった人道支援に謝意を述べ、戦火の中で冬季を迎えたウクライナ市民にはさらなる熱源が必要だと訴えた。
番組のなかで、中国大使館から「あなたの行動は間違っている」「どんな支援も台湾から受けるべきではない」との公式文書を受け取ったことを明らかにした。
ルディック氏は「凍えるウクライナ国民のために協力を呼びかけることが私の責任」と強調。「『どうぞ、これが中国の発電機ですよ』といただけたのなら理解できる。でも、中国はウクライナに何の支援もしていないのではないですか?」と中国側に返したという。
今月初め、台湾が購入を支援した発電機の第1陣がウクライナに到着した。台湾は今後200万米ドル(約2億6000万円)規模の追加支援を行うことも発表している。昨年3月、台湾の蔡英文総統をはじめ頼清徳副総統と蘇貞昌行政院長(首相)らもウクライナへの人道支援のため、1カ月分の給与を寄付すると表明した。
ルディック氏はウクライナ議員の親台湾派。台湾外交部が昨年10月に開催した「台湾ウクライナ友誼レセプション(台湾烏克蘭友誼酒)」にも参加しており、「台湾にウクライナの代表処開設を目指して、また台湾を訪れたい」とも語っていた。
中国共産党は台湾を内政問題とし、核心的利益と位置付けている。このため台湾を国際社会から孤立化させ、関係を築こうと試みる外国政府や議員に圧力をかけている。
2021年11月に、首都ビリニュスに大使館相当の台湾代表処を設置したリトアニアに対して、中国は経済的・外交的報復措置をとった。同国のランズベルギス外相は中国共産党による「力による支配」は容認できないと強固な姿勢を示した。
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