米国のマルコ・ルビオ上院議員らは16日、中国共産党の支配下にある香港経済貿易代表部(HKETO)の閉鎖を求める法案を提出した。
香港政府が代表事務所として日米英など14カ国に設けるHKETOは、各国における香港の経済・貿易面での利益を推進する役割を担う。中国共産党から独立した機関として一連の優遇措置を受けているが、2020年に中国の香港国家安全維持法が施行されて以降、中国政府の在外公館としての役割を果たしていると議員らは指摘する。
ルビオ氏は「中国が香港の民主主義と自治を損ない続けている。HKETOが外交特権を持つに値しなくなった場合、その特権は取り消されるべきだ」と述べた。
法案は、中国による香港の自治権侵害の審査を求め、HKETOが現在維持している外交特権の延長についての再評価を大統領に義務付ける。延長しないと判断した場合、HKETOは6カ月以内の閉鎖を求められる。
法案を共同提出したジェフ・マークリー議員は「文化イベントを開催し、経済面で米国政府と連携することを目的とした機関が、今では中国政府の宣伝機関として機能している」と指摘。「従来通りのやり方が通用する時代は終わった」と強調した。
ルビオ氏の声明によれば、クリス・スミス議員などが下院で同様の法案を提出する意向だという。
HKETOの特権廃止を求める動きはこれが初めてではない。英ロンドンに拠点を置く人権団体、香港ウォッチは昨年発表した報告書のなかで、中国政府の支配下にあるHKETOはすでに自主権を失い、中国政府の意向に沿う形で活動していると指摘。HKETOの特権を廃止し、新しい事務所の開設も承認しないよう呼びかけていた。
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