「医薬品を規制する立場の機関が、製薬会社から資金を受けているのなら、公正な審査などできるのか?結果を信用できるのか?これは制度的な腐敗ではないのか?」。新型コロナワクチンによる健康被害の話がネット上に投稿されるにつれ、医療業界の規制の仕組みの根幹にも疑問の声が上がるようになった。
医薬品等の品質や有効性及び安全について審査するなど、医薬品、医療機器について許可や取り締まりを行う規制当局が、医療業界から多額の資金を受けていることが、世界的な医療雑誌BMJ(British Medical Journal)の調査で指摘されている。
日本の規制当局『PMDA』に業界から資金
BMJが2022年6月29日に発表した記事では日本の規制当局PMDA(医薬品医療機器総合機構)の総予算の85%の資金を製薬業界から受けていることが明示された。また、PDMAの新型コロナウイルスワクチン審査委員会のメンバーのうち75%に、製薬会社との金銭関係(利益相反:Conflict Of Interest=COI)があるという。
PMDAは、日本の医薬品に関する副作用などの健康被害に対して救済を図ったり、医薬品や医療機器などの安全性について指導・審査したり、それらの安全性に関する情報の収集、分析、提供を行っている独立行政法人だ。
今回の新型コロナウイルスワクチンの健康被害においても、接種後に健康被害が出た際、医師や医療機関などからの副反応疑いの報告を受け、死亡・重篤症例について、専門家が個別の症例に評価し、その結果を審議会資料として国に提出している。
国は、接種後に生じる副反応を疑う症状を収集して審議会に報告し、それにより予防接種の安全性に関する情報を提供している。
新型コロナワクチンについては、通常の定期接種より高頻度で審議会を実施して副反応の集計・評価を行い、必要 があれば、緊急時にも開催しているという。
このPMDAに医療業界から、総予算の85%という資金が注ぎ込まれているという。
利益相反は無いのか
著名な医療雑誌、BMJ(British Medical Journal)は、豪州、欧州、英国、日本、米国、カナダの6か国の規制当局に、資金調達、意思決定 (およびデータ) の透明性、新薬の承認率について質問を行った。結果、業界の資金が世界の主要な医療機器規制当局に浸透していることが明らかになった。
調査によると、6か国の規制当局のうち、豪州のTGA( Therapeutic Goods Administration)が業界からの資金割合が最も高く (96%)、最も低いのはカナダの50.5%で、日本のPMDAは85%という高い割合だった。
薬物規制の研究に何十年も費やしてきた、米国ローワン大学の社会学者ドナルド・ライト氏は、評価のために請求される製品を所有する企業からの資金によって大部分が資金提供されていることについて、TGAを例にあげ、「根本的な利益相反であり、制度的腐敗の主要な例だ」と述べた。
米国における30年間のPDUFA(処方薬使用料法) の分析によると、医療業界への金銭的依存が基準を下げ、最終的に患者に害を及ぼしていることが示されている。
エポックタイムズはPMDAの拠出金について、2月21日、厚生労働委員会の両院委員長である三ッ林 裕巳衆議院議員と山田宏参議院議員に以下の3つの質問をした。
①独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の収入に占める企業拠出金の割合は日本では85%を占めておりますが、この現状に対するご見解をお伺いいたします。
②PMDAが業界資金に強く依存している状況において、利益相反等の問題についてどのようにお考えでしょうか。
③PMDAが業界資金に強く依存する状況について対策を講じるお考えはございますか。
しかし本記事掲載までに返答は得られていない。
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