米国のジャック・バーグマン下院議員は1日、外国代理人登録法(FARA)およびその他の米国法を順守しない限り、中国などの敵対的国家の官製メディアが連邦議会議事堂に入場することを禁じる法案を提出した。
バークマン氏は声明のなかで、報道の自由と米国民への情報提供のためメディアに特別な権利を付与しているが「議会内部の機密情報を求める外国勢力が欲しがる」権利でもあると危機感を示した。
現在、議会議事堂への入場資格がある報道機関の記者の受け入れ人数に上限はなく、「オールアクセスパス」が与えられている。中国やロシアなどスパイ活動を積極的に展開している国のメディアの記者も、資格証明書を取得する前に身元調査を受ける必要がない。
法案はこうしたセキュリティリスクを阻止するため、外国の国営メディアに外国代理人登録法に基づく登録を要求し、入場記者資格を10件までに留める。また資格取得前に、申請者の身元調査を実施するようFBI(連邦捜査局)に義務付ける。
バークマン氏によれば、今議会ではFARAのもとで中国の工作員として登録されているメディアに勤務する20人以上の記者が議会の記者証を受け取っているほか、中国共産党幹部と関係がある報道機関の16人にも記者証が発行されている。
その中には、2020年6月に国務省が外国使節団と認定した国営通信社である中国新聞社の記者2人も含まれているという。
バークマン氏は「外国の諜報機関がプロパガンダ手段を使って、米国の議会議事堂に工作員を平然と潜ませる可能性がある」「彼らが法律を尊重しない限り、外国記者への自由なアクセスを認めることはできない」と述べた。
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