今月16日、テキサス州上院の州務委員会が、大学対抗スポーツ競技におけるトランスジェンダー選手を制限する法案を承認した。
共和党のメイズ・ミドルトン州上院議員が起草した法案「女性スポーツを救う法(Save Women’s Sports Act)」は、大学レベルのアスリートに対し、出生証明書に記載された生物学的性別に基づいて競技を行うことを義務付けるものだ。また、同法案には、違反を報告した人に対する報復を防止することも含まれている。
独立系NPO「テキサス・バリューズ(Texas Values)」政府関係ディレクターのメアリー・エリザベス・キャッスル氏は、「私たちは『女性スポーツを救う法案』が立法過程で勝利にまた一歩近づいたことにワクワクしています」とエポックタイムズに語った。同NPOは、伝統的なユダヤ教およびキリスト教的な価値観を掲げる保守系団体だ。
今月16日、委員会は7対3の賛成多数で同法案を可決した。法案は、上院と下院の本会議で可決を経てから、グレッグ・アボット州知事の署名を得た後、法律として成立する。
2021年、アボット知事は、学校対抗のスポーツに出場する学生に、出生証明書の性別と一致するチームでプレーすることを義務付ける法案に署名した。
証言
全米大学体育協会(NCAA)の元水泳選手のライリー・ゲインズさん(22)は、今月13日に委員会で法案に賛成する証言を行なった数人のアスリートの一人だ。彼女は昨年、NCAA選手権で生物学的男性の選手と対戦し、一躍脚光を浴びた。
ゲインズさんのウェブサイトによると、彼女はケンタッキー大学で6つの記録を樹立し、3度のNCAA選手権予選と米国オリンピック予選突破の経歴を持つ。
委員会での証言で、彼女は「法案可決を強く求めます」と述べてから、昨年3月17日にNCAA選手権でトランスジェンダーの水泳選手と対戦した経験を語った。
「私やチームメイト、そして全米の女性水泳選手たちは、生物学的男性のリア・トーマス選手と競争させられました。トーマス選手は、ペンシルバニア大学の男子水泳部で3年間競技した後、女子部門での出場を許されました」
ゲインズさんによると、トーマス選手は競技初日に500ヤード自由形で全米優勝を獲得し、最有力のアスリートらを打ち負かした。
翌日、ゲインズさんが200ヤード自由形でトーマス選手と対戦したところ、100分の1秒単位の同タイムで、5位タイだった。トーマス選手がトロフィーを授与されたのに対し、ゲインズさんは手ぶらで会場を後にした。
「私は裏切られ、軽んじられたような気がしました。それに、自分の努力や犠牲が、ただトーマス選手を正当化するためのシャッターチャンスに使われたと感じました」とゲインズさんは語った。
彼女は、NCAAがトーマス選手に女子更衣室の使用を許可したことについて、体を震わせながら証言を続けた。
「NCAAは女性たちにトーマス選手と更衣室を共有するよう強制しました。男性器を露出した、193cmある22歳の男性に、無防備で服を着ていない女性だらけの部屋を提供したのです」
「はっきりさせてください。私たちはこの取り決めについて事前に警告されませんでした。同意していませんし、同意を求められもしませんでした」
「何より、これは私たちのプライバシーに対する侵害です。この経験によって居心地の悪さや恥じらいを感じ、さらにはトラウマを負った人がいることを理解していただけることを心から願っています」
ゲインズさんによる証言の場にいたキャッスル氏も、「女性スポーツへの男性選手の出場は機会と安全を脅かしている」とエポックタイムズに語った。
法案の次のステップは
この法案は、上院と下院の本会議で可決された後、アボット知事に届けられ署名されれば、法律として成立する。
キャッスル氏は「法案の下院版にはすでに77人の連名があることを考えれば、難しいことではないはずだ」と述べる。「私はグレッグ・アボット州知事に会ったが、彼はこの問題に詳しく、女性スポーツを救うための法律を支持している」
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