米国で中国海外警察署を運営していた疑いで逮捕された中国系米国人の男2人が、精神修養法の法輪功学習者も標的にしていたことがわかった。
米司法省は17日、越境弾圧に従事しているとされる中国海外警察署を運営していた疑いでた盧建旺容疑者と陳金平容疑者を逮捕したと発表した。2人は中国共産党の代理として活動した罪のほか、司法妨害の罪に問われており、有罪となれば最長25年の懲役刑が言い渡される可能性がある。
起訴状によれば、盧建旺容疑者は2015年に習近平国家主席がワシントンD.C.を訪問した際、迫害停止を訴える法輪功学習者の活動を妨害するため、有償で参加者を募り対抗デモを組織した。盧容疑者は、こうした働きを評価した当時の中国公安部の副局長から表彰を受け取ったという。
また起訴状には、盧建旺容疑者らが中国共産党の法輪功迫害機関「610弁公室」局長からの命令でニューヨークとワシントンD.C.の法輪功学習者とコミュニティを標的にした越境弾圧に関与していたことが明記された。盧建旺容疑者は法輪功コミュニティに不利な資料を新聞に掲載するよう指示されていたほか、陳金平容疑者は中国当局の協力を得て法輪功学習者を監視していたという。
国務省の「信仰の自由に関する2021年国際報告書」によれば、中国共産党は「法輪功を排除するため、党が運営する法外治安機関を維持し、嫌がらせから投獄に至るまで様々な手段を用いている」。
またスペインの人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」も中国国内に限らず国外の法輪功学習者も「中国共産党とその関連組織による脅迫の対象になっている」と指摘する。
法輪大法情報センターのリーバイ・ブラウデ事務局長は2人の逮捕を受けて発表した声明で「中国共産党の工作員が広めた虚偽と脅迫は、基本的な権利を抑圧し、中国人ディアスポラや社会の中で根拠のない憎悪を扇動した」と指摘。越境弾圧に「米政府がさらなる行動を起こすことを期待する」と述べた。
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