SNSを通じて性的な画像・動画を提供させ、金銭的利益などのためにそれを同意なく拡散すると脅迫する「セクストーション(性的な脅迫)」が世界的な問題となっている。この度、米国で行われた世論調査で世界のZ世代(10代後半~20代前半)の約3分の2がセクストーションの標的となっていることが明らかになった。
写真共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップが21日に発表した報告書によると、Z世代の65%が、架空のプロフィールやIDを作成して相手に詐欺行為を働く「キャットフィッシング」の標的となったり、露骨な画像やその他の個人情報を強要された経験があると答えた。
また、被害にあった半数以上(56%)は男性であったことがわかった。
「得られた写真や動画は、若者を脅したり恐喝したりするために使われた。加害者は、若者の家族や友人にその素材を公開しないことと引き換えに、金銭、ギフトカード、より多くの性的画像や個人情報を要求した」と報告書は述べている。
調査は4~5月にかけて、米国や英国など6か国の6千人以上のZ世代を対象に行われた。キャットフィッシング詐欺の罠にはまった回答者の71%が、わいせつな画像や個人情報の提供を強要され、そのうち31%がわいせつ画像を、30%が個人情報を提供している。
また、キャットフィッシング詐欺の罠にはまった回答者の25%は、家族や友人に関するプライベートな情報も提供していることが分かった。
報告書は「加害者は、特定の被害者からすぐに金銭的な(あるいはその他の)見返りを得ようとしているわけではない。むしろ、網を広げてより多くの人を引っかけたり、性的関係やその他の交流のために誘惑することが目的の可能性もある」と警告を発した。
連邦捜査局(FBI)も5日の発表で、AIを利用してソーシャルメディアに投稿された写真や動画をわいせつなものに変換し、被害者を脅迫するセクストーションが増えているとし、SNS上に写真や動画を投稿する際には「注意を払う」よう呼びかけている。
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