燃える車、対警官用のワナ…フランス暴動に潜む極左勢力の影

2023/07/04 更新: 2023/07/04

フランスの情報機関によると、全国に波及した大規模な暴動では、極左の活動家が群衆に紛れ込み、扇動していたことが確認されている。いっぽう、逮捕者の多くは青少年であり、親の教育に課題を見出す声もある。

「闘争」呼びかける左翼

現地メディア「フランス・アンフォ」は6月30日、情報機関である国内情報中央局の備忘録を引用し、極左勢力が暴動を利用し「警察の暴力」に対して闘争を呼びかけている疑いがあると報じた。「怒りは一段と高まっている」とし、すでに暴動が発生した都市だけではなく、いまは平穏な場所も「餌食」になる恐れがあると指摘した。

現地メディア「バルール・アクチュエル 」によると、少年射殺の報道からわずか数時間後には、活動家らが「悲劇を政治的に利用しようと躍起になった」という。「ル・ポワン」の報道では、積極的な活動家の一人ユセフ・ブラクニ氏は少年の死因を「構造的な人種差別主義」に帰結し、フランス政府は罪を犯していると主張した。

極左活動家の影

「バルール・アクチュエル」によると、当局は先月28日にトゥールーズでおよそ20人の極左活動家を確認した。極左活動家は表舞台に登場せず、裏で大衆を煽り、暴徒に助言しているという。複数の警察官は取材に対し、「道路の真ん中に燃えている車が置かれているだろう」「あれが典型的な極左勢力のやり口だ」と答えた。

夜になると、暴徒らは恐ろしい罠を設置した。あらかじめ芝生にガソリンを撒いておき、警官を誘き寄せてから火を放つというものだ。幸いなことに警察は引っ掛からなかった。犯罪対策チームは「今までこのようなものを見たことがない」と嘆いた。

パリ市警の責任者ローラン・ヌネズ氏は1日、テレビ局「BFM」の取材に対し、シャンゼリゼ大通りで拘束された暴徒のなかには極左勢力や黄色いベスト運動(訳註:2018年に発生した政府への抗議運動)のメンバーなどが含まれている可能性があると語った。

教育の問題か

一連の暴動では、参加者の多くが未成年者であることが注目を集めている。現地メディア「フランス・ブルー」の取材に応じた南フランスのエロー県知事ユーグ・ムトゥー氏は、若者らの親にも責任があると述べた。

「子供が雑草のように育てば、12歳で警官に石を投げつけても不思議ではない。対処法とは何か。平手打ちを2発食らわせて、寝かせることだ」

ムトゥー氏はさらに「教育は子供が生まれた時から始まる。文化的な影響は関係ない。子供をこの世に産んだら、生まれた時から世話をするものだ」と指摘した。10代の若者が親とともに強盗で逮捕された事件に言及し、親は教育とモラルの指導を行う責務があると強調した。

フランス語大紀元記者。
関連特集: 欧州・ロシア