テロ組織ハマスによるイスラエル攻撃の後、少なくとも中国国民4人が亡くなり、2人が行方不明、6人が負傷した。中国政府はイスラエルに滞在中の中国人の状況を報道せず、関連情報を意図的に抑え込んでいる。
現地の中国人によると、現在大使館は情報提供をしておらず、自己の安全に注意するようにとのメッセージばかり送信して、質問には一切応答していない。さらに、滞在中の中国人の状況を確認せず、有効な避難情報を提供しないだけでなく、大使館への電話すら通じない状況のようだ。この政府の不作為に、現地の国民の怒りが高まっている。
一方、韓国が国民を退避させるために派遣した軍輸送機が14日夜、ソウル近郊の軍用空港に到着した。搭乗者には日本人51人、シンガポール人6人も含まれていた。
これを受け、多くの人々が日韓関係の変化に驚いた。また「これこそ文明国家のあるべき姿だ」とコメントする人もいる。
ネットユーザーは中国共産党(中共)が華僑をイスラエルから退避させたのか尋ね、「日本もチャーター便を派遣して退避させたが、中国は何もしなかった…」と投稿した。
ネットに投稿されているスクリーンショットをみると、中国人留学生が中国大使館に退避情報などを尋ねると、大使館のスタッフは「グループで無駄話をしないように」と警告している。
中国を擁護する発言をした動画はヤラセだった
一方で「イスラエルにいる中国人留学生」と名乗る女性が動画を投稿し、彼女はその動画の中で、中国大使館と中国留学生学生会が「励ましてくれている」と述べ、中国航空会社の便も「ずっと運行している」と主張していた。
しかし、ある中国人学生がその女性が中国に戻ったことを明かした。そのSNSのIPアドレスも「北京」と表示されていた。実際、彼女は現地の留学生たちに、中国政府を宣伝する動画の撮影を依頼したものの、全ての学生から断られ、その後、自ら動画を撮影し、あたかもイスラエル在住であるかのように振る舞ったようだ。
危機のときに国民を放置する中国共産党
中国問題専門家、王赫氏は「危機の時に中国共産党は海外の華人に何の緊急援助も提供しない」と指摘した。
外国メディアの記者が何度も中国外交部の報道官に、ハマスによるテロ攻撃に関して質問したが、中共側は一貫して「ハマス」という言葉を口にしなかった。
海外政治雑誌「北京の春」の編集長、胡平氏によると、中国共産党が長らくパレスチナを支援してきたことは、北京がイスラエル・パレスチナ紛争におけるどういう立場を選択するか制約している。また、中国政府が具体的な国民の死傷者数を通報しないのも、このような考慮からである可能性がある。
時事評論家の唐浩氏は、中共がハマスを非難しようとしないこと、また「戦狼」たちが沈黙していることは、中共とハマスとの間に深い利益関係があることを示していると述べた。
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