北京当局は10月末から100万以上のフォロワーを持つアカウントに「本名表示制」を実施する。これにより、インフルエンサーや有名人は、ハンドルネームや芸名を使用することができず、アカウントのトップページに本名や職業などの情報を公開するようになる。時事評論家は、影響力のある民間人を口止めすることが目的だと分析した。
18日から、複数のインフルエンサーは次々と「本名表示」の通知を受け取ったという。ただし、対象となるのは政治やエンターテインメント、金融などの分野のインフルエンサーで、美容やグルメのような比較的センシティブでない分野は除外されるようだ。
政府はこの取り組みがセルフメディアに更なる責任を負わせるせることを目的としていると説明した。
本名が明らかになることで暴言や攻撃をされるリスクが高まることを恐れ、多くのインフルエンサーや著名人はSNSコンテンツを急いで削除したり、本名表示制が実施されるとアカウントを削除すると明言したりした。
一般のネットユーザーからの反応もかなり激しい。政治や金融、捜査、人権活動などの有名人たちが発言する際に、さらに慎重になるだろうと指摘している。
ウェイボー(微博)の利用者の中で、女性の数は男性よりも多い。大量の女性の本名と住所を公開することは、女性の個人的な安全に大きなリスクをもたらすだろう。同時に、個人のプライベートな生活や趣味も暴露されので、実際には個人のプライバシーを侵害することになる。
中国共産党(中共)が厳しく監視している政治環境において、本名表示の意味は大きくはない。むしろ、国民への威嚇としての役割が大きいだろうと考えられている。
時事コメンテーター姜光宇氏はこのように述べた。
「本名表示は、これらのインフルエンサーたちに動画を作る際に『軽々しく話すな、気をつけろ』と、自己制約をかけるのが目的だ。そうすると、中共の管理がより簡単になるのだ」
エポックタイムズのコラムニスト、王赫氏は本名であるかどうかは重要ではないと考え「中共はこうして、一種の寒蝉効果(行政当局の強権発動によって,メディアが萎縮する可能性 )を感じさせ、その監視がどこにも及ぶことを示す。それで、人々は自己検閲をするのだ」と指摘した。
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