中国の地方財政難が深刻化している中、公務員の給与カットのニュースが絶えず報道されている。しかし、今年の公務員試験採用規模は3万9600人、前年より2500人増え、約6.7%上昇している。
中国メディアは、今年から国家公務員試験の採用が連続6年間拡大されると報じた。
募集職位は主に税務、税関、鉄道警察、出入国管理などに集中している。そのうち税務部門は合計で2万4千人を採用する予定、中央銀行である中国人民銀行は3052人、税関は2307人を採用する予定。
エポックタイムズのコメンテーター王赫氏は、募集の動向は、中共(中国共産党)の政策方針を表していると指摘した。
「これらの部門は何ができるのか? お金を取り上げ、監査を強化することだ。これらの職種で採用を拡大して、税金を徴収するための人員を増やすことで、公務員の職位や人数を増やすよりも大きな利益を得ることができる。これは、中共が経済をより厳しくコントロールし、政府がより多くの資金を取り上げることを意味している」と王赫氏は述べた。
一方で、就職の機会が少ないため、今年の公務員の出願者数は過去最高を記録し、291万4千人に達した。人気最高の職位は競争率3572倍。
王赫氏は「福利厚生が充実していて、賃金が安定している」から、公務員の給与がカットされても、みんな公務員試験に応募すると考えている。
また「中国全体の経済環境は、非常に悪化していることを浮き彫りにしている」と語った。
国家公務員試験の拡大採用が進む一方、南京市、天津市、山東省、江蘇省、浙江省、広省省、福建省などの地域では、地方財政難で公務員の給与カットや給与未払いなどが報じられている。
いくつかの地域では以前支給されたボーナスの返還を求められたという。さらに、天津市政府は寺院に資金を借りるという事態にまで至っている。
米資産運用会社ゴールドマン・サックスは、中国の地方政府債務が94兆元(約1922兆円)にも達していると推定している。多くの省の地方政府は存続のために借金に頼っている。
中国金融智庫の鞏勝利研究員によると、中国は、政府と党の二本柱で並行し運営している。 市場経済の国では、与党組織は国家の運営コストとしてカウントされていない。 このような状況では、中共の役人の給与を払い、地方政府を運営し続けることは難題だ。
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