景気の低迷や失業率高騰が続くなか、中国は今年も、最大のECイベントである「双11」を迎える。
「双11」とは11月11日のことで、中国では「独身の日」と位置づけられている。ただし、独身であるかないかに関わらず、この「双11」の期間には、ネットショッピングの大々的なバーゲンセールが行われることで知られている。
売り手側は、消費者の財布の紐をなんとか緩めようと、あらゆる知恵を絞って各種のセールを展開する。中国の消費者の関心は、第一に「価格」である。そのため、各社はまさに「熾烈な価格競争」を繰り広げることになるのだ。
中国4大ポータルサイトの1つ「網易」が発表した「双11」関連のCMを見ると、今年は「とにかく値下げに値下げを重ねる」ことを謳ったものが多い。
電子商取引(EC)大手が掲げるキャッチフレーズは、いずれも「全ネット最安値」「50%引き」「1元(約21円)から~」など、桁外れの「超低価格」を前面に出すものばかりだ。
こうした販売側による「狂気的な値下げ攻撃」に対し、消費者側はどうか。景気低迷の今年は、期待された通りの反応はしてくれないようだ。
中国のSNSには「消費のグレードダウン」や「100%お得は、つまり買わないこと」といった話題が非常にホットになっている。
そのほか、ネットユーザーは「今年使ったお金は、去年の3分の1だった」「今のところ、お金は一銭も使ってない」と、自分のお財布事情について相次ぎ語っている。なかには「一部のセールキャンペーンは(客寄せのための)釣り広告だよ」という厳しい指摘もある。
米国のコンサルティング企業大手「ベイン・アンド・カンパニー」は、今年の中国最大のECイベント「双11」を目前にして行った調査の結果、「中国の消費者の77%は買い控えして、消費を抑制する傾向にある」としている。
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