2024中華民国大統領選挙まであと40日余り。12月3日、民進党総統候補・頼清徳(らい せいとく)氏の選挙本部設立総会が台北市で開催された。頼清徳氏は「台湾はすでに世界の台湾であり、経済力もあり、昔のやり方に戻る必要はない」と述べた。
蔡英文総統は後援演説で、誰も戦争は望んでおらず、平和を望んでいるが、「私たちは香港式の平和を望んでいるのではなく、尊厳のある平和を望んでいる」と述べ、有権者に対し、台湾の平和を尊厳を持って守るため、頼清徳氏と蕭美琴(しょう びきん)氏を選ぶよう求めた。
頼清徳氏は、ここ数年、蔡英文政権の下で、台湾は世界に向かって大きく前進しており、民進党の統治は、中国に頼るのではなく、台湾に頼る方が良いことを証明したと述べ「国民党が主張する中国に頼るしかないという時代はすでに終わり、現在の台湾の経済力では、元の道に戻る必要はないし、戻してはいけない」と主張した。
それに対して国民党の侯友宜(こう ゆうぎ)氏は1992年コンセンサス「一つの中国」を受け入れるとの考えを示している。
また台湾民衆党(民衆党)の柯文哲(か ぶんてつ)氏は「一家仇より一家親がいい(けんかするよりも対話をする方がいい)」と表明した。両氏ともサービス貿易の再開を主張している。
頼氏はどちらの意見も台湾を元の道に戻し、「中国の台湾」になることを望んでいると批判した。
国民党は、中国の若者の失業問題を解決するために、大量の中国人が台湾に来て働くことを許可することさえ提案した。しかしこれは台湾の雇用市場に影響を与え、台湾の若者の将来を犠牲にする可能性がある。
頼氏は「平和は誰もが望んでいるが、『主権を放棄する』『経済的自立を犠牲にする』『社会への衝撃に耐える』という野党のやり方は、決して真の平和にはつながらないし、このような人に国を渡してはいけない」と指摘する。
また「今回の選挙は国の方向性を選ぶ選挙であり、頼清徳氏と蕭美琴氏を選ぶことは、台湾を信じ、世界に向かって歩き続ける台湾を選ぶことだ」と語った。
蔡英文総統も、「野党は2024年は戦争か平和かの二者択一だと煽っているが、香港を見てほしい」と訴えている。
「私たちは香港式の平和を望んでいるのではなく、尊厳のある平和を望んでいる。尊厳と自主があってこそ、長期的な平和と健全な経済発展があるのだ」
蔡氏はさらに、平和を確保するためには、自衛力を強化しなければならないと強調した。
元行政院長(首相)の蘇貞昌氏は、民主的な選挙が可能な人はそれを大切にすべきであり、民主主義と自由がなくなったら、もう遅い、と述べた。
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