先月以降、発熱や肺炎をともなう呼吸器系の感染症が中国各地で爆発的に流行しており、各地では病院が混雑を極めている。
中国共産党の当局はこれを「新型コロナ」であると認めていないが、中国の教育部が「全国の学校へ新型コロナ対策を指示する」など、対応上の矛盾も露呈している。民間では「実際には新型コロナだろう」と疑う声が、圧倒的に多い。
そのようななか、今月6日、陝西省西安市にあるタクシー会社が、自社のドライバーに「ワクチン接種」を求めていたことが分かった。
ワクチン接種を求められた西安のタクシー運転手は、中国メディア「極目新聞」に対し、「以前にも何度かワクチン接種を受けている。なぜ今になって、また打たせるのか分からない」と話している。
また、このタクシー運転手によると「ワクチン接種を求められているのは、うちの会社だけではない。市内の別のタクシー企業も同じだ」という。
このほか、陝西省、江蘇省、江西省、遼寧省瀋陽市、南京市など各地で「新型コロナワクチンの接種スケジュール」が発表されるとともに、各地の感染症対策センターが市民に対して「できるだけ早いワクチン接種」を呼びかけている。
白い防護服の防疫要員「大白(ダーバイ)」の復活に続いて、沸き起こった「ワクチンの全民接種」への動き。
しかし、そうした防疫措置の効果が皆無、あるいは極めて乏しかったから、今日の感染爆発が起きたのではないか。
こうした昨今の動きに対して、ネット上では嘆きの声が広がるとともに、皮肉交じりのコメントも目立つ。もはや中国人の誰もが「ワクチンは安全で、予防効果がある」とは思っていないのだ。
「(中)国産ワクチンを接種する勇気なんか、あるわけない」
「そのワクチンは合格品か?」
「どうせ以前の打ち残しだろう。使用期限切れのワクチンなのでは?」
「当局は、表向きはコロナの存在を認めていない。しかし、やっぱり裏では、しっかりと対策しているじゃないか」
日本の厚労省HPによると、日本で使用される新型コロナ関係のワクチンのうち、最も有効期限が長いファイザー社ワクチンでも「有効期限は18か月」であり、その間の温度管理なども厳格に求められる。
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