今日はクリスマス。日本では、クリスチャンであるか否かを問わず、クリスマスツリーやリースを飾り、親しい人とプレゼントを贈り合ったり、皆で楽しく食事をしたりする季節のイベントの1つとして親しまれている。さて、お隣の中国ではどうであろうか。
二極化した中共の「クリスマス政策」
中国では今年も、各地の学校から企業、ひいては集合住宅(団地)の管理会社までもが「クリスマスを祝わないように」と指導する「恒例」の通知が出されている。
陝西省のある学校では「クリスマス関連の行事を禁止する」通知の最後に、「違反者は厳重に対処する」という脅し文句まで書かれていた。
クリスマスイブの夜は学生を外出禁止にして、学生寮からクリスマス関連グッズが出現することを厳しく管理する学校もある。
また、河北省保定市のキリスト教会の前では、いったい何を恐れてか、大勢の警官が警戒に当たっていた。
上海では「クリスマスの制限なし」
いっぽう同じ中国でも、上海ではなぜか、クリスマス関連のお祝いは許されている。あるいは「黙認されている」といってもよい。
上海市民はサンタクロースのコスプレをしたり、クリスマス関連の飾りをして町を歩き、大いに「聖なる夜」を楽しんだ。
上海市内の店舗では、クリスマス関連の商業活動も例年通り活発であり、とくに制限が加えられた形跡は見られない。
「上海ではクリスマスを祝っていいのに、なぜ他の地域ではダメなのか」。この問題について、中国問題専門家の王赫氏はエポックタイムズの取材に対し、次のように分析した。
「国民がクリスマスを祝って良いかどうか。この問題に対する二極化した中共の対応からしても(中共の)高層における政策が、すでに『錯乱状態』であることを浮き彫りにしている」
「当局が、上海でのクリスマス祝いを許したのは(対外的に)中国が上海を開放していることの象徴にしたかったのだろう。しかし、その他の地方に関しては、そうはいかない」
「中共は実際、長期にわたり大学内などでのキリスト教の伝播を厳しく取り締まってきた。習近平は、地方勢力が反旗を翻すことを心底恐れている。そのため(宗教関連の活動も)厳しい管理下においている」
「中国版クリスマスツリー」は監視カメラの木
近年、中国では「西洋のイベントよりも、中国伝統のイベントや文化を重視すべき」という趣旨の通達が、様々なところから出されるようになった。
これには、欧米の文化を排除し、国民に愛国心や中国共産党への忠誠心を植え付ける狙いがあるとされる。いっぽう、これに対してネット上では、反発の声が根強い。
以下の画像は、華人圏のSNSで拡散されている「中国版クリスマスツリー」だ。
作者や場所は不明であるが「監視カメラ」を積み上げて作られたこのツリーは、まさに監視社会・中国における、自由のない息苦しさを表していると言えるだろう。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。