複数のウォール街の投資家は、トランプ前大統領が2024年大統領選の共和党予備選で勝利する可能性が高いことを認めているようだ。
米CNBCが報じたところによれば、投資銀行エバーコアの元副会長で、バイデン氏の資金提供者でもあるチャールズ・マイヤーズ氏は、多くの投資家が「トランプ氏の予備選勝利を確実視している。だから彼を止めるために資金を投じたくない」と発言した。
この発言は、前大統領がサウスカロライナ州のニッキー・ヘイリー前知事を破ってニューハンプシャー州の予備選に勝利する直前になされたものだ。トランプ氏はアイオワ州での初戦も圧勝している。
また、複数のメディアが匿名の情報源を引用して24日に報じたところによると、億万長者でリンクトイン共同創業者リード・ホフマン氏は、ニューハンプシャー州での敗北後、ヘイリー氏への資金提供を一時停止した。ホフマン氏もヘイリー氏も、この報道について公式にはコメントしていない。
イェール大学経営大学院のシニア・アソシエイト・ディーンであるジェフリー・ソネンフェルド氏はCNBCのインタビューで「2021年1月6日のような壊滅的な危機がない限り、資金を投じることによって、従業員、投資家、顧客を分断するような立場を取りたくないのだろう」との見解を示した。
アトランティック・カウンシルのフレッド・ケンペ最高経営責任者(CEO)もニューハンプシャー州の予備選前にヘイリー氏に「大金を投じる」つもりとしたが、「彼女がニューハンプシャーで支持を得られた場合のみだ。ドブに金を捨てるようなことはしない」とトランプ氏の勝利を予測する発言をしていた。
実業家のビベック・ラマスワミ氏やデサンティス氏の撤退によって、今後の共和党指名候補争いは事実上、トランプ氏とヘイリー氏の2人に絞り込まれている。ヘイリー氏はニューハンプシャー州予備戦後「レースはまだ終わっていない」と選挙戦を続ける意向を表明し、世代交代を先導する候補だとアピールした。
トランプ政権の対中姿勢「正しかった」
先週、ウォール街の重鎮であるJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、トランプ前大統領が行った複数の発言や政策(特に移民、税金、経済)を支持すると述べた。
CNBCのイベントで「認めざるをえない。トランプ氏はNATOや移民(政策)についてある意味正しかった。経済も成長させた。通商税制改革はうまくいった。中国に関してもある意味正しかった。これらの重要な問題について彼は間違っていなかった」と述べた。
またトランプ氏が呼びかけている“Make America Great Again(再び米国を偉大に)”というスローガンに賛同する運動、MAGA運動について、
「民主党がMAGA(Make America Great Again)について語るときは、もう少し慎重に考えてほしい。MAGAについての否定的な話は、バイデン氏の選挙キャンペーンを傷つけることになる」と続けた。
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