米国防総省高官によれば、人工知能(AI)と自律型兵器システムの使用が国際法を遵守していることを確認するためのガイドラインの設定に、50か国以上が米国と共に参加しているという。 AIが兵器開発やその他の軍事的用途で存在感を増す中、関係者はその使用を管理するためのルールを策定している。
米国国防総省(DOD)のマイケル・C・ホロウィッツ(Michael C. Horowitz)国防次官補代理(戦力開発・新興能力担当)は、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies Wadhwani Center for AI and Advanced Technologies)主催の2024年1月のバーチャル・トークで、米国国防総省のAI開発の取り組みについて最新情報を報告した。
2023年11月、米国国務省は「人工知能と自律性の責任ある軍事利用に関する政治宣言(Political Declaration on Responsible Military Use of Artificial Intelligence and Autonomy)」を発表した。 ホロウィッツ次官補代理によれば、2024年1月現在、51か国がこの宣言に賛同しており、ベストプラクティスや提携国の能力開発を可能にするなど、新たなテクノロジーの使用に関するコンセンサスを構築するための会議が間もなく開始されるという。 ロシアと中国はこの宣言に署名していない、とホロウィッツ次官補代理は述べた。
さらに、「我々が推進しようとしている規範のようなものは、すべての国が支持すべきものだという認識があると思う」とし、 「我々はこれを、各国がAIを活用した軍事システムを安全に開発・配備できるようにするためのグッドガバナンスだと考えている」と述べた。
米国国防総省は2023年1月、すべての新しい武器システムの厳格なテストと精査を求める武器システムにおけるAIの使用に関する指令を更新した。
「安全でなく、予測可能でない兵器システムは機能しない。 役に立たない」とホロウィッツ次官補代理は述べた。 さらに、「統合軍が戦争を抑止し、紛争が発生した場合に勝利するために必要な能力を開発し、配備することになれば、我々は自分たちのシステムに信頼を持つ必要がある」と語った。
米国国防総省の指令は、特に核兵器の場合、人間の司令官やオペレーターが武力行使を統制できるようなシステムを求めており、ホロウィッツ次官補代理は、同省の「核態勢の見直し」に沿うものだと述べた。
また、「核兵器使用の決定は非常に重要であり、人間の関与が中心であるべきだと考えている」とし、 「我々は、他の国々がそのコミットメントを共有し、そのコミットメントを明確にしてくれることを期待している」と述べた。
米国国防総省は、レプリケーター・イニシアチブの一環として提携国と協力している。これは、戦闘員への革新的な能力の提供を加速させるための全省なプロセスである。 「国防イノベーションユニット(DIU)」が主導し、2023年11月に発表されたこのイニシアチブは、比較的低コストであることから、大量に配備され紛争時に危険に晒される可能性のある無人システムを実戦配備することで、中国共産党軍に対抗することに当初の重点が置かれている。 国防イノベーションユニットと各国提携国は、ロシア・ウクライナ戦争におけるこうしたシステムの使用についても分析を進めている。
「以前は、精度か量か、どちらかだと考えられていた。 しかし、それはもはや事実ではない」とホロウィッツ次官補代理は述べ、 「多くの場合、今後必要となるのは精度と量の両方だ」と語った。
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