いくらでもある「水が出ない消火栓」「ホースが着かない消火設備」 これが人命無視の中国だ

2024/02/25 更新: 2024/02/25

見た目は、確かに「消火栓」である。しかし今の中国では、道端にあるものから、集合住宅に設置されたものまで、なんと「水が出ない消火栓」がどこにあっても不思議ではないのだ。

集合住宅の消火設備では、開栓しても水が出なかったり、ホースの金具の口径が合わなくて出火の際に使えなかったり、ひどい場合にはホースそのものが設置されていなかったりと、その現状はあまりにもひどい。これはもはや人命軽視ではなく人命無視。「運悪く火が出たら、死になさい」と言われているに等しいだろう。

中国にも、もちろん消防関係の法律がある。当然、法令に則した定期検査があり、こうした消火栓や消火設備は「合格」しているはずなのだ。

しかし、それらは「いざという時」、つまり本当に火事になり、一秒一刻を争って消火と人命救助をすべき時に全く役に立たないという、とんでもない「裏切り」をはたらく消火栓なのである。

「ホンモノだと信じて買った純金が、実は鉄。だまされた」というのは、中国で本当にあった話であるが、そのくらいなら財産の損失に留まるだろう。しかし、実際に火事が起きた際に、ホースをつないだのが「水の出ない消火栓」であれば、まさに多数の人命に関わる一大事となるのだ。

今月16日、河南省鄭州市の集合住宅で「新築物件」の引き渡しが行われた。その際、住民は、共用廊下の消防設備が全く使えないということを発見した。

消防設備の扉には「手を触れないでください」というテープが貼られている。ところが、よく見ると通常は扉の開閉ができる「金具」がついていないのだ。消火設備の扉はテープで固定、つまり壁にテープで貼り付けられているだけだった。

そのテープを剥がし、扉を開いて中をのぞいてみると、確かに消火栓らしきものはあるが、本来そこに設置されているはずの「ホースがない」。

同様に、別のところの消火設備を開けてみると、また驚いた。ここもホースが備えられていないだけでなく、なんとホースが接続する消火栓の接続口が「壁の方向を向いている」のだ。

これらの不可解な事実は、この集合住宅を施工した建設業者と、それを「合格」にした地元の消防当局について、その知能が正常であるかを疑うレベルである。

旧正月の初日(2月10日)夜、江西省撫州市の集合住宅で火災が発生した。しかし、建物に設置されていた消火栓が「役立たずである」ことが判明したのは出火してからだった。

住民が火を消そうとして、消火栓を開いたところ、なんと水が全く出ないのだ。(関連動画はこちら

他省でも「消火栓のニセモノ」や「実際に使えない消火栓」が判明するケースが相次いでいる。

そのようなこともあり、中国で暮らすならば「おから工事でない住宅」から、きちんと「ホースが着けられ、水が出る消火栓」まで、ありとあらゆるものに関して「品質に問題はないか?」と疑ってかかることが不可欠になっている。

「中国は、なぜこんな国になってしまったのか」。そう嘆かずにはいられない。

人々の道徳が甚だしく低下し、神仏を敬わず、因果応報も信じない。金銭ばかりを追求した結果、人が人でなくなってしまった。

そうした人心の荒廃を象徴するモノが、いま中国に氾濫する「ニセモノ消火栓」と言ってもよい。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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