米サンフランシスコ発のユニークなコスメブランド「ベネフィット(Benefit)」は、売り上げ不振のため「今夏には中国市場から撤退する」と報じられた。中国における同ブランドのオンラインショップは、すでに全店閉鎖している。
中国メディア「潮新聞」(5日付)の報道によると(ベネフィットの)撤退は「6月末から7月初めにかけての見込み」だという。
今月5日「ベネフィットが中国市場から撤退する」のトピックスは、中国SNSのホットリサーチ入りした。かつて人気を博したブランドの撤退に、嘆きのコメントが多く寄せられている。
ベネフィットが天猫(Tmall)、京東(JD)、抖音(Douyin)などの大手プラットフォームに出店している公式旗艦店では、すでに今年1月から新規注文の受付を停止している。2月には、オンライン上での全旗艦店を閉鎖した。
ネットショップの全店閉鎖後は、ベネフィットがコスメカウンターを出店をするLVMH傘下のコスメ専門店「セフォラ(SEPHORA、絲芙蘭)」が中国市場におけるベネフィットの唯一の販売チャネルとなっていた。
しかし、その最後の「唯一」である「セフォラ」も、営業存続の可能性はないらしい。それについて「セフォラ・北京三里屯店」のスタッフが「今月(3月)末には撤退する」と中国メディア「毎日経済新聞」の取材に対して明かしている。
撤退する根本的な理由について、同スタッフは「(もう中国では)売れないから」だという。
ベネフィットは2007年から中国市場に参入。上海に出店した第1号店は、オープン初日にブランド最高の売上を記録している。
その後の数年で急速に拡張し、どの一線都市でも、百貨店1階のブランドコーナーにはベネフィットのコスメカウンターを見ることができるようになった。
2020年末の時点で、コスメ専門店「セフォラ」に出店された「ベネフィット」コスメカウンターは中国81都市をカバーする275箇所に達していた。
しかし、その後の販売不振は避けがたく、パンデミック発生から2年目にあたる2021年より、中国の多くの都市から大規模な撤退が始まった。
「ベネフィット」は高級ブランド世界最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)傘下の化粧品メーカーで、ビューティアワードで毎年数々の賞を獲得している。日本からは、すでに撤退している。
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