中国ワクチン被害者の叫び今も 中共政府の弾圧により、長く険しい権利擁護への道

2024/03/10 更新: 2024/03/11

中国には、中共ウイルス(新型コロナ)ワクチンをはじめ、これまでに使用された各種の中国産ワクチンの後遺症に苦しむ膨大な数の被害者がいる。ワクチン接種によって、大人だけでなく、子供の体に重大な後遺症を残したケースも少なくない。

そうしたワクチン被害者が政府に対して求める事実認定と補償問題など、被害当時者による権利擁護への長く険しい「闘い」は今も続いている。

「両会」の前、北京を目指した被害者たち

3月4日~5日に北京で開幕した2つ重要会議「両会」。全国政治協商会議(政協)は10日まで、全国人民代表大会(全人代)は3月中旬まで開催される。

その「両会」の前、約3千人のワクチン被害者は、ワクチンの利益を独占してきた政府部門に対する調査、およびワクチン被害者への透明性ある補償と救済システムの確立を求める「共同請願書」を作成し、ネット上に公表した。

しかし、この「共同請願書」はすぐにネット封殺に遭った。そればかりか、請願活動に関わった複数の発起人が中共当局によって軟禁されたり、なかには行方不明になった人もいる。

それでも、ワクチン被害者の闘いは続いている。請願活動の発起人の1人でもあるワクチン被害者の銭大龍さんは、次のように語る。

「私たちは、今年の両会開催時に直接会場へ行き、我われ被害者が作成した請願書と、3千人ちかい被害者リストを提出する予定だ。ワクチン被害を受けた仲間のうち、北京を目指す途中で当局によって阻止された人もいる。しかし、すでに一部の仲間は北京に潜伏しており、請願書を出す機会を伺っている」

こうしたワクチン被害者が、その保障問題と自らの人権擁護を、他ならぬ「自国の政府」に直訴する過程は、まさに敵陣へ乗り込む「戦闘」にも類似している。見つかれば、拘束されてしまうのだ。

言うまでもなくワクチン被害者の総数は、3千人ちかいという被害者リストを遥かに超えて、中国全土に無数に存在するとみるべきであろう。

画像は、ワクチン被害を訴える被害児童とその保護者たち。(中国のSNSより)

中共に弾圧されるワクチン被害者

北京在住の銭大龍さんは、北京科興中維生物技術有限公司(シノバック・バイオテック)が研究開発した新型コロナウイルス不活化ワクチンを接種した後、下半身不随になった。治療やリハビリを経た今も、足に障害が残っている。

銭大龍さんは、エポックタイムズの取材に応じ、次のように語った。

「実名登録をした約3千人のワクチン被害者のなかで、最も多いのが新型コロナワクチンによる被害を受けた人たちだ。中国産コロナワクチンを接種した後、多くの人が白血病になった。ほぼ毎日、死亡者が出ている」

「ワクチン被害者のなかには、政府から少額のお金を貰えただけで(諦めてしまい)もう声を上げなくなる人もいる。私の知っている湖南省の農村の被害者は、地元政府から7千元(約14.5万円)の葬儀代をもらった後、もう騒がなくなった」

「政府は通常、後遺症が軽い場合は、ワクチン接種が原因である可能性は排除できないと(一部だけであるが)ワクチンの関与を認める。ところが症状が重い場合は、ほぼ例外なく『これは(他の病気からの)合併症だ』と診断する。それでも被害者が強く要求すれば、政府側は致し方なく、いくらかの補償をしてくれる。しかし、声を上げなければ完全に無視されるだけだ」

銭さんは以前、北京市内にある大型の自動車販売店で管理人をしていた。ところが、ゼロコロナ政策がもたらした経営不振により、人員削減の波をくらって失業した。

ワクチン接種後、1週間で半身不随に

その当時、再就職はもちろん、何をするにも「ワクチン接種証明書」の提示が求められていた。

銭さんは仕事探しのために、やむを得ずワクチン接種を受けた。すると3回目の接種から約1週間後、突然体に異変が起き、半身不随になった。治療を受け、リハビリを経て少しは回復したものの、現在も足に障害が残っている。

現在、銭さんは毎月千元余り(約2万円)の障害者手当と妻の収入でなんとか食いつないでいる。それでもお金がないため、極力病院には行かず、薬も飲まずに辛抱しているという。

ワクチン被害を受けた銭さんは、正当な補償を求めて、中国共産党の腐敗を取り締る中央紀律検査委員会(中紀委)のほか、陳情局や政府ホットラインなどの公的機関に助けを求めてきた。

しかし、どの政府部門も責任を他へ転嫁し、たらいまわしにするだけで、何の対応もしなかった。

そこで昨年7月、ワクチン後遺症の真相を暴露する文章を中国SNSに投稿した。この文章が原因となって、銭さんは1か月間拘留されたうえ、SNSウェイボー(微博)アカウントが凍結された。

そうした「闘い」のなかで、過去2度にわたり拘束され、今もしばしば当局の監視下に置かれる北京市民・銭大龍さん。

「(ワクチン接種から)もう3年も経つのに、誰もこの責任をとらず、たらいまわしにされるだけだ」。そう嘆きながらも、銭さんは「私が生きている限り、最後の瞬間まで闘うつもりだ」と不屈の決意を表している。

画像は、児童のワクチン被害を訴える家族、2022年。(被害者家族より提供)

地元当局が「投獄するぞ」と脅迫

江蘇省の小学生だった羅哲翰くんの場合。

中国製ワクチン接種後に「急性リンパ性白血病」と診断され、1か月後に死亡した。

羅哲翰くんの母親である梁小強さんは、亡くなった息子のために、権利擁護の活動をしてきたが、地元当局から「活動をやめなければ投獄するぞ」と脅迫された。

彼女は最終的に、致し方なく権利擁護を推進するSNSグループチャットから退出した。

ワクチン接種で白血病、陳情すれば強制送還

安徽省出身の姚玲(仮名、28歳)さんの場合。

その当時、ワクチン接種証明書がなければ職場に出勤することも出来ず、またスーパーマーケットへの入店も禁止されていたため、不本意でもワクチンを打つしかなかった。それはもちろん姚玲さんだけでなく、この時代を生きた全ての庶民が避けられない苦難であった。

彼女は2021年に、3回目の新型コロナワクチンを接種してから1か月半後に「白血病」と診断された。

「ワクチン接種前に受けた健康診断では、何の異常もなかった。私が白血病になった原因は、あのワクチン接種しかありえない」。そう姚玲さんは確信している。

今年2月28日、彼女はたった1人で陳情するため北京に行った。しかし、北京に着いた翌日の朝、ゴミを捨てるため宿の外に出たところ、複数の当局者によって拉致され、地元の安徽省へ強制送還された。

シノバック製新型コロナワクチンの接種を受ける女性、2021年6月3日、広西省。(STR/AFP via Getty Images)

接種の2週間後「植物状態になって死亡」

陜西省西安市に住む周鳳華さん(仮名)の夫は「ワクチン接種後に死亡した」という。

周さん自身も、障害をもつ身である。彼女の夫は、中共政府による実質的な強制ワクチン接種により、2021年6月にシノバック・バイオテック製ワクチンの2回目接種を受けた。

しかし接種から2週間後、夫は突然、呼吸困難を起こす。病院に緊急搬送されたが、入院3日目の早朝に心停止し、そのまま自力呼吸のできない植物状態となった後、死亡した。

「医師からは、コロナワクチンによる副作用で合併症だ、と言われた」という。

また、周さんによると「2021年6月に、コロナワクチン接種を受けた人のなかで、死亡した人は本当に多かった。私の知っているだけでも、7人はいる」という。

周さんは夫の死後、陳情者になった。ワクチンのせいで命を落とした夫のために、自身が障害者であるにもかかわらず、何度も北京へ行って陳情してきた。

ワクチン接種後、体に障害が残った女児、2010年、広東省。(大紀元資料室)

こそこそと縮小する「中国のワクチン市場」

中共当局が強引に推し進めた、3年にわたる「ゼロコロナ(清零)政策」のもと、厳しい感染対策措置はもとより、全ての民衆はPCR検査やワクチン接種を強要され、その不満は限界にまで達していた。

2022年12月7日、中共の「ゼロコロナ」はあまりにも唐突に終了する。

しかし、その後すぐに「全民感染」の事態になり、あふれる発熱患者で医療は崩壊。院内ロビーの天井から屋外の木の枝まで、無数の「点滴ボトル」が吊り下げられたが、その時にも多くの患者が命を落としている。

結局、中国の民衆は「なにも都市封鎖などしなくても良かった。(中国以外の国のように)通常通りの生活をしながら、コロナと共存することができる」と気づいた。

しかし中国共産党は、その重大な誤りを認めていない。あの「狂った3年間」について、中国の民衆は胸の中に怒りをじっと抑えているしかないのだ。

国産(中国製)新型コロナワクチン接種による副反応や後遺症など、健康被害を受けた人たちのなかでは、シノバック・バイオテック製ワクチンで被害を受けた人が最も多いとされている。

児童から高齢者まで、同ワクチンを接種した後に白血病、糖尿病、脳出血、脳梗塞などに罹患し、重度の障害を負ったり、命を落とすなどしたケースが後を絶たない。それによって被害者とその家族が受けた悲しみや苦痛は、筆舌に尽くしがたいものだ。

今年1月10日、シノバック・バイオテック製コロナワクチンが生産を停止したことがわかった。昨年以來、中国の複数のコロナワクチンが製造中止になっている。

ワクチンを製造した会社は、中共政府の権威を利用して感染症の大流行時には大儲けしてきたが、その間、ワクチンの副作用については完全に無視してきた。

そして、中共政府のゼロコロナ政策終了から1年3か月が経った今。ワクチン被害者の叫び声は、かつての都市封鎖のように封印され、後遺症に苦しむ人たちの存在は忘れ去られようとしている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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