オピニオン 衝突前2分の記録が消えたなんてことがありうるのか?

ボルティモア橋崩壊:衝突前のブラックボックス映像が消失

2024/04/01 更新: 2024/04/01

3月26日、米国・メリーランド州ボルティモア港の象徴的なフランシス・スコット・キー橋は、10万トン級の大型コンテナ船衝突により断裂した。この衝突は6人の命を奪い、重大な交通および経済的影響を及ぼした。しかし、事故の原因を解明するための鍵となるブラックボックスから、衝突直前の2分間の映像が消失していたという大きな謎がある。この事故は、テロ行為ではないと早急に発表されたが、ネット上では様々な陰謀論が飛び交っているのだ。特に、この事故が中国の超限戦戦略の一環である可能性についての議論が強くあり、この記事では、橋の崩壊からブラックボックスの映像消失、超限戦の概念まで、事故に関連するさまざまな角度からの分析を試みた。

ボルティモア橋崩壊の概要と影響

米国に住む道路橋梁の構造力学の専門家、山姆薛(やまもせつ)氏は新唐人テレビの『菁英論壇』番組で、この橋の設計に問題はないと述べた。この橋は1977年に完成し、主航路の両側に3つのスパンを持つ連続鋼桁橋で、当時としては流行の設計であった。3スパンが連結されることで力学的に合理的で、材料を節約し、大きなスパンが可能になる。ただし、全重量が主に2つの橋脚にかかるため、一つの橋脚が崩れると橋全体が崩壊するリスクがあるとした。

橋の設計では、垂直荷重だけでなく、風や水流の影響、地震も考慮されるが、大型船の衝突は想定外である。

十万トン級の船が主要な橋脚に直撃した場合、どの橋も耐えられず、全体が崩壊する。このような事態は以前は稀で、ほとんど前例がなかった。しかし、今回の事例があるため、将来の設計ではこのようなリスクを考慮する可能性があり、結果として大橋の建設コストが大幅に上昇することになるかもしれない。

サウスカロライナ大学エイケン商学院の教授、謝田氏は「エリートフォーラム」で述べた。現在、多くのメディアが、この事故が米経済に及ぼす影響や、供給網の混乱を引き起こす可能性について議論しているが、私はそれが深刻な問題だとは思わない。この事故は地元経済、特にメリーランド州やニューイングランド地域の経済に一定の影響を与え、供給網にも影響を及ぼすことは確かだ。ボルティモア港は年間80万台以上の自動車とトラックを扱っており、港が停止すれば、BMWやフォルクスワーゲンなどのブランド、またHome DepotやFedExなどの港に依存する商社に大きな影響が出る。

謝田氏によると、ボルティモア港は米国で11番目に大きな港であり、他の多くの港がこの問題を処理できる。米経済には、平和な時期が長く続くと人々が、怠けがちになるが、危機が発生すると、その危機が深刻であればあるほど、より良い反応を示すという特性がある。彼は、米経済の回復力は非常に強いと考えている。

バイデン大統領は橋の衝突がテロ行為ではないと発表  中国の超限戦への疑念

大紀元時報の総編集長、郭君氏は『菁英論壇』で述べた通り、メリーランド州と連邦政府は、事件後すぐにテロ攻撃の証拠がないと発表した。これは、現在調査中であり、専門的な見解としてテロ攻撃の証拠がないという立場を取り、公衆の疑問に応えて迅速に情報を公開した。

郭君氏によると、インターネット上では、この船を運営する会社が以前香港に登録されていたことから、多くの憶測を呼んでいる。この船の名前はDALIで、以前は香港のgrace Ocean investmentが運営していた。この会社は3隻の船を所有しており、2015年にDALI号を売却した。現在、この船はシンガポールに登録され、シンガポールの旗を掲げている。

国際航海において、船の所有者と運営会社は別であり、特に小規模な所有者の場合、貨物の積み込みや船のメンテナンス、修理などの運営は運営会社が担当する。これには多くの専門的な業務が含まれる。

この船は大橋に衝突する前に2度電力を失い、直前には何度も方向転換した。電力喪失がハッカーによるものかどうかが注目されているが、理論上可能であっても、それだけで結論を出すわけにはいかない。現在、連邦政府が調査中である。

ブラックボックスの重要な2分間の映像が失われ、橋への衝突が超限戦のテストの可能性を否定できない

謝田氏は『菁英論壇』で、中国共産党が超限戦のテストを行う可能性を否定できないと指摘した。

「超限戦」は、中国共産党の軍人が考え出した戦略で、「従来の境界線と限度を超えた戦争」を意味する。あらゆるものが戦争の手段となり、またあらゆる場所が戦場となりうると考えられている。

船による大橋の衝突について、米連邦政府がいくつかの点をまだ明確にしていない中、バイデン大統領は、初めに連邦政府が、大橋の再建費用を負担すると発言した。

再建には20億ドル(約3千億円)必要であるが、バイデン氏が急いでこの発言をした理由は何であろうか? 米国民の信頼を高めるためか、または他の理由があるのであろうか? 通常、このような事故の場合、保険会社が費用を負担する。理論上、米国民が費用を負担する必要はない。バイデン氏が連邦政府が費用を負担すると言う必要はなかったのである。これは非常に不思議である。

この船が突然停電し、その後予備の補助発電機が作動して一部の灯りが点いたものの、全てが点灯したわけではないことが明らかにされた。米国の国家運輸安全委員会(NTSB)が調査を開始し、船橋の操縦室と機関室を調べ、電子記録やカメラ、閉回路テレビの映像を探したが、何も見つからなかった。

船のブラックボックスは発見されたが、衝突前の重要な2分間のデータは見つからなかった。これにより、意図的な攻撃の可能性を排除できない状況である。連邦政府は、この問題についてさらに調査し、明確な回答を出す必要がある。また、港を離れる際に船が突然停電した理由も解明する必要がある。これらの疑問には、実際に答えを見つける価値がある。そのため、現段階で超限戦の可能性を排除することはできない。

謝田氏によると、中国共産党がこのタイミングで意図的に「超限戦」の試験を行うことは充分に可能である。これは、中国共産党が自身の窮状を感じており、待つことができない状況にあるためである。アメリカの主要な電力網が中国共産党のハッカーによって攻撃された事例があり、これは攻撃されやすく、攻撃が実行されれば、航運の一時的な影響を大きく上回る影響が出るため、この脅威は現実のものである。

大紀元の主筆、石山氏は『菁英論壇』で、約十年前に米国のニューヨークを含む複数の都市で大規模停電が発生したことがあると述べた。米政府はこの問題について徹底的に調査したが、その結果は公表されなかった。しかし、その後、FBIやその他の情報機関は、今後中国から大型変電所や変圧器などの設備を輸入しないようにと提案した。これは、政府が情報を把握しているものの、一般市民には伝えていないことを示している。

石山氏はこう言った。「数年前、ワシントンでの国会聴聞会やシンクタンクの研究会で、多くの専門家が大規模停電のリスクを指摘していた。技術的には簡単に遠隔操作が可能だとし、既にそのような技術的な爆弾が仕掛けられている可能性があるとの見解もあった。中国共産党が船に技術的な爆弾を設置することも否定できない。この爆弾は従来のものとは異なり、特定の時点で活性化し、船を制御可能にすると言われている。これらの問題は非常に深刻で、国家安全保障に対する脅威となり得る。

 

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