29日夜、ワシントンD.C.近郊で米陸軍のヘリコプターとアメリカン航空の旅客機が衝突し、陸軍兵士3名と旅客機に搭乗していた64名全員が死亡した。
しかし、その前日にも同じ空域で旅客機と軍用機がニアミスを起こしていたことが分かった。
旅客機、軍用ヘリとの衝突回避のため緊急操作
航空管制の記録によると、1月28日、エンブラエル E-175型機(短距離フライト向けの旅客機、定員約80人)がワシントン・レーガン・ナショナル空港への着陸許可を受けていたが、軍用ヘリとの衝突を回避するために緊急操作を行った。
- 旅客機の自動回避システムが『回避勧告(Resolution Advisory)』を発動し、衝突を避けるために進路を変更。これにより、滑走路を通り過ぎ、再び着陸態勢に入らざるを得なかった。
- 軍用機(コールサイン:PAT1)のパイロットには、航空管制官から旅客機の接近が通知されていた。しかし、その時点で旅客機は軍用ヘリの約1千フィート上空を飛行していた。
連続する軍用機と旅客機の接触リスク
この事故の前日にも、同じ空域で軍用ヘリと旅客機のニアミスが発生していたことが明らかになった。これを受け、軍用機と民間機の空域管理の安全対策が改めて問われている。
関係当局は現在、相次ぐニアミスの原因や安全管理の問題を調査しており、航空安全対策の強化が求められている。
米国家運輸安全委員会(NTSB)は1月30日、墜落事故に関連し、飛行データ記録装置(フライトレコーダー)2基を回収したと発表した。
NTSBのラボで解析が進められており、調査チームは、陸軍のブラックホーク・ヘリコプターが旅客機と衝突する直前の状況を詳しく分析し、事故の原因究明を進めている。
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