米食品医薬品局(FDA)は24日、食料品店で販売された牛乳から高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の陽性反応が確認されたことを受けて、州間を移動する乳牛に鳥インフルエンザの検査を義務付けると発表した。
この命令は29日に発効し、泌乳期の乳牛が対象となる。インフルエンザ検査で陽性となった乳牛は、陰性と判定されるまでの 30 日間、移動を禁止するという。
FDAは23日、加工システム内および店頭に並んでいる牛乳を検査した結果、低温殺菌の過程で死滅したウイルスの残骸が見つかったと発表。牛乳を飲んだとしても安全性に問題はないとの見方を示しているが、追加調査を行っていると明らかにした。
「生きたままの病原体がまだ存在するかどうか、また感染力が残っているかどうかを判断するためには、追加検査が必要だ。(中略)調査結果は数日から数週間後に出る予定だ」
FDAは陽性反応が確認されたサンプルの数や、販売していた食料品店の詳細については明らかにしていない。
米農務省によれば、米国内での鳥インフルエンザの乳牛への感染が、3月下旬に初めて確認されて以降、8つの州の33の農場で畜牛への感染が報告され、テキサス州の農場労働者1人が陽性反応を示している。
FDAは、感染した牛から搾乳した牛乳は転用または廃棄していると説明しているが、一部専門家からはその安全性を疑問視する声が上がっている。
ニューイングランド複雑系研究所のヤニール・バーヤム所長は、今回の発見は「病気の牛から搾乳した牛乳を商業用として使用している」ことを意味すると指摘。低温殺菌によってミルクは健康リスクを生じさせない程度まで病原体が除去される可能性は高いが、その安全性は「保証されていない」と付け加えた。
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